語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たちの新着ブログ記事

  • 『粋の極み ・笑いの匠たち』22~24

    22.三遊亭金馬(さんゆうてい・きんば)「3代目」 生年月日大正14年(1925 年)11月25日 没年月日令和4年(2022年)12月16日 享年:97歳 三遊亭金馬(さんゆうていきんば)(3代目)は、大正14年東京生まれの名人落語家。戦後の混乱期を経て昭和の高度経済成長期に、テレビ・ラジオの普... 続きをみる

    nice! 1
  • 「年寄りの与太話」「仕事が嫌い」

    男はいつも胸を張って言っていた。 「私は実に幸運な人生を送っております」 周囲は「さぞ仕事ができたのでしょう」と感心する。すると男は首を横に振った。 「いえ、仕事はほとんどしておりません」 男は若いころから五回も職を変えている。しかも不思議なことに、辞めた翌日にはもう次の会社で入社の挨拶をしていた... 続きをみる

  • 56.日本おとぎ噺 「乞食のくれた手ぬぐい(こじきのくれたてぬぐい)」

    昔、ある村の金持ちの男が、峠道の茶屋で休んでいた。そこへ旅の途中らしき一人の乞食が現れ、「何か食べ物を恵んでくだされ」と頼んだ。男は最初無視しようとしたが、乞食の態度があまりにも丁寧で、言葉も穏やかだったため、つい握り飯を一つ与えた。乞食は深く礼を言い、代わりに一枚の手ぬぐいを差し出した。「この手... 続きをみる

  • 24.『古典落語』「浮世床(うきよどこ)」

    ここは江戸の町角にある、なじみの床屋「浮世床」。町人たちが、髪を整えに来るというより、むしろおしゃべりに来るのが目当て。今日も店には長屋の連中が三々五々集まり、床几(しょうぎ)に腰かけては、世間話や与太話に花を咲かせている。季節は春、外はうららか、店の中にもぽかぽかと陽が差し込む。髷(まげ)を結い... 続きをみる

    nice! 1
  • 「私の与太話」「御朱印」

    御朱印を集め始めたころ、私は半分は旅の記念、半分はスタンプラリーのつもりであった。神社や寺で手を合わせ、帳面を出すと、朱の印と墨の字がさらさらと入る。それだけで、ただの寄り道が、急にありがたい旅になったような気がした。 ところがある寺で、「御朱印はスタンプではありません」と言われた。こちらは帳面を... 続きをみる

  • 55.日本おとぎ噺 「キジも鳴かずば(きじもなかずば)」

    むかしある山里に、まじめで働き者の男が暮らしていた。ある日、山で薪をとっていると、何とも言えぬ悲しげな鳥の声が聞こえてきた。不思議に思って声の方へ行くと、木の枝に傷ついた一羽のキジが鳴いていた。男は哀れに思い、自分のむすび飯をちぎって与え、やさしく手当てをしてやった。 翌日、男が山へ行くと、なんと... 続きをみる

  • 24.『江戸小咄』「屁(へ)」

    長屋に住む若い男・与太郎(よたろう)、ある日ご隠居の家で手伝いをしていた最中、不意に大きな音を立てて屁をこいてしまった。 その場にはご隠居と近所の町人がいて、空気が一瞬ピリつく。顔を赤らめた与太郎は、あわてて言い訳を口にする。 「い、いまのは畳の鳴った音で……」と、とっ... 続きをみる

    nice! 2
  • 「私の与太話」「主治医」

    私はお医者さんとの付き合いが長い。総合病院というところはありがたいもので、一人の先生から紹介状が出ると、腎臓内科、消化器内科、眼科、脳外科と、まるで病院内の名所巡りである。診察券一枚で、体じゅうを各科の先生方に預けて歩くことになる。 ところが、先生が増えると注意も増える。腎臓の先生は「野菜も取りす... 続きをみる

    nice! 2
  • 54.日本おとぎ噺 「湖の怪魚(みづうみのかいぎょ)」

    昔、ある村の近くに大きな湖がありました。村人たちはその湖を「神の池」と呼び、決してむやみに入ったり魚を取ったりしませんでした。というのも、昔から「湖には怪しい大魚が住んでいて、人を引きずり込む」という話があったからです。湖に近づいた牛が消えたり、舟が沈んだりする不思議が度々起こり、誰もが湖を恐れて... 続きをみる

    nice! 1
  • 23.『古典落語』「たらちね」

    江戸の長屋に住む独り者の八五郎。腕は立つが口下手で、女っ気のない暮らしを続けていた。そんなある日、大家から「年頃の良い娘がいる。婿に来てくれぬか」と話が舞い込む。まさか自分に縁談が来ようとは夢にも思わず、最初は戸惑う八五郎だったが、話を聞けば器量も悪くないとのこと。「こりゃあ渡りに船だ」と話を進め... 続きをみる

  • 「私の与太話」「介護施設」

    年金の通知が届いた。「おっ、少し増えている」。ところが通帳を見て首をかしげた。振り込まれた額は思ったほど増えていない。よく見ると介護保険料やら何やらが差し引かれている。働き始めてから何十年も払い続けてきたのに、年金は増えても手取りは増えない。まるでバケツに水を注いでいるのに、底の穴も一緒に大きくな... 続きをみる

    nice! 2
  • 53.日本おとぎ噺 「きつね女房(きつねにょうぼう)」

    昔々、ある山里の若者が、山道で倒れている美しい女に出会いました。女は「道に迷っただけ」と言い、若者に助けられて村へと下りてきました。身寄りもないというその女を、若者は家に招き、やがて二人は夫婦となりました。女は働き者で、村の者たちからも評判となり、二人の間には男の子も生まれ、幸せな日々が続きました... 続きをみる

    nice! 1
  • 23.『江戸小咄』「悔(くやみ)」

    江戸のある町、気立ての良い男・八五郎が、古くからの隣人であった老人の訃報を聞いた。 貧しいながらも人情深い老人で、町内では顔の知れた人物。八五郎は「そりゃあ、行かにゃあならねぇ」と、急いで悔やみに向かうことにした。 だが、着物は普段着のまま、足元も草履で泥まみれ。 それでも八五郎は、「死んじまった... 続きをみる

  • 「私の与太話」「コーヒー」

    このごろテレビで見る「〇〇コーヒー」のコマーシャル、どうも見ていて感心してしまう。うまいこと、ぎりぎりの線を歩いているのである。出てくるのは、たいてい少しぽっちゃりした人。こちらはつい、「これは痩せる話かな」と思ってしまう。ところが、よく見ると、痩せた姿は出てこない。 つまり、体重や脂肪に悩む人へ... 続きをみる

    nice! 2
  • 52.日本おとぎ噺 「座頭の木(ざとうのき)」

    昔、ある村に座頭(ざとう)――目の見えない旅芸人の男がいた。三味線を背負い、村から村へと渡り歩いては、その音色と語りで人々を楽しませていた。ある年の冬のこと、とある山道の茶屋に立ち寄った座頭は、そこで偶然、旧知の村人と出会う。 座頭は村人に「この先の峠道は雪が深くて危ない。泊まっていけ」と勧められ... 続きをみる

    nice! 1
  • 22.『古典落語』「千早振る(ちはやぶる)」

    八百屋の与太郎が、長屋仲間に頼まれて、お茶屋の娘お花に恋文を届けることになった。しかし与太郎は手紙を届けるのではなく、自分でその恋文の中身を丸暗記して伝えようとする。だが、彼には教養がなく、文中の和歌の意味もまるでわかっていない。おまけに覚え違いも甚だしい。 その和歌というのが、「千早振る 神代も... 続きをみる

    nice! 1
  • 「私の与太話」「我が家の小鳥たち」

    我が家の庭には、朝晩になると小鳥が来る。百均で買った小鳥の餌を小皿に入れて出しておくと、まず現れるのはスズメである。どこで見ているのか、皿を置いた途端に一羽、二羽、三羽と集まり、しまいには四羽も五羽も同じ皿に首を突っ込む。小さな庭が、にわか食堂になる。 そこへムクドリもやって来る。ムクドリは向かい... 続きをみる

    nice! 2
  • 51.日本おとぎ噺 「旅人馬(たびびとうま)」

    昔、ある村に心優しい馬子(うまご=馬を使う旅人)が住んでいた。 彼の連れていた馬は、年老いて足も弱り、荷を運ぶにも苦労するほどだったが、馬子はけっして手放さず、大切に世話していた。ある日、旅の途中で村人に笑われても、「この馬は家族のようなもの」と言って笑って答えた。 ある晩、峠道で日が暮れ、馬子は... 続きをみる

    nice! 1
  • 22.『江戸小咄』の「小便(しょうべん)」

    ある日のこと、長屋に住む八五郎(はちごろう)が、小用を足したくなり、裏手の溝(どぶ)へと足を運んだ。 ところが、その日は朝から雨がしとしと降っており、軒下を出てすぐ、足を滑らせて尻もちをつく始末。裾は泥にまみれ、手も冷たい水に浸かってびしょ濡れ。 「こりゃ、ついてねえなあ」とぶつぶつ言いながら、し... 続きをみる

    nice! 1
  • 「私の与太話」「円安という甘い薬と苦い副作用」

    円安になると、日本の商品は海外から安く見える。自動車などの輸出企業はもうかり、外国人観光客も増える。旅館、飲食店、土産物屋にもお金が落ちる。教科書だけ読めば、円安は日本経済への追い風に見える。 だが、追い風も強すぎれば砂ぼこりになる。日本は燃料、食料、原材料を海外に頼っている。円が安くなれば輸入品... 続きをみる

    nice! 7
  • 50.日本おとぎ噺 「かもとりごんべい」

    むかしむかし、山里に「ごんべえ」という働き者の若者がいました。ごんべえは貧しいながらも明るく、村人たちに好かれていました。ある日、ごんべえは「鴨をたくさん捕まえれば一攫千金」と考え、鴨捕りに出かけることにしました。竹で作った大きな籠を背負い、川辺へと向かいます。 ごんべえは川辺に餌をまいて、鴨たち... 続きをみる

  • 『粋の極み ・笑いの匠たち』19~21

    19.三遊亭円窓(さんゆうていえんそう)「5代目」 生年月日昭和13年(1938年)10月10日 没年月日令和5年(2023年)10月13日 享年:86歳 五代目三遊亭円窓(さんゆうてい・えんそう)は、昭和を代表する名人落語家であり、また教育者・文筆家としても活躍した多才な人物です。三遊亭円楽(五... 続きをみる

    nice! 3
  • 「私の与太話」 「私の名前由来」

    私こと“100ennmegane”は、年を重ねるにつれて目がぼやけ始めました。知り合いに相談すると、「100均の老眼鏡で十分だよ」と言われ、試しに買ってみたところ、新聞も値札も案外よく見える。私はすっかり感心し、「高い眼鏡はいらんな」と得意顔。ところが調子に乗って遠近両用ま... 続きをみる

  • 49.日本おとぎ噺 「かしき長者(かしきちょうじゃ)」

    昔、ある村にとても貧しい夫婦が住んでいた。日々の暮らしもままならず、ある日、男は生きる望みをかけて都へと出ていくことにした。 途中、道端で一人の年老いた旅人に出会う。旅人は男に、「都で『かしき』というものを探してごらん」とだけ言い残し、姿を消す。男はその言葉を信じて、都で「かしきとは何か」を探し始... 続きをみる

  • 21.『古典落語』「天狗裁き(てんぐさばき)

    江戸は神田の長屋に住むある男。朝から不機嫌な様子で、何やら思案顔。女房が心配して尋ねても、「いや、なんでもねえ」とつれない返事。ところが、ふとした拍子にうっかり「夢を見てたんだ」と口を滑らせる。女房はそれを聞き逃さず、「どんな夢を見たのか、言っておくれよ」としつこく問い詰める。 男は頑として夢の中... 続きをみる

  • 「私の与太話」「逃げる」

    私の嫌いなことは、人のせいにすることである。周りが悪い、親が悪い、時代が悪い、政治が悪い。たしかに世の中には、こちらの力ではどうにもならぬことも多い。けれど、それを全部言い訳にして座り込んでしまえば、自分の足まで人に預けたようなものだ。文句を言う口は元気でも、前へ進む足はだんだん弱っていく。 人の... 続きをみる

    nice! 3
  • 48.日本おとぎ噺 「大工と鬼六(だいくとおにろく)」

    昔、ある山奥の村に名の知れた腕の良い大工がいた。ある日、その大工が山を越えて寺の橋をかけに行く仕事を請け負うことになったが、橋の工事は難しく、なかなかうまくいかない。困り果てた大工が山の中でため息をついていると、突如として真っ赤な顔の大男が現れた。なんとそれは鬼だった。鬼は「橋を一晩で完成させてや... 続きをみる

    nice! 2
  • 21.『江戸小咄』の「雪隠(せっちん)」

    長屋暮らしの与太郎(よたろう)、近ごろ読書に目覚めたと、大家に自慢げに話す。 「本ってのは、えれぇもんですねぇ」と言いながら、小脇に抱えていたのは、どこか古びた冊子。大家がちらと覗けば、なんとそれは、雪隠(せっちん)=便所の貼り紙ではないか。 「お前さん、こりゃ“用足し”の... 続きをみる

    nice! 3
  • 「私の与太話」「皇室」

    皇室の将来を考えるとき、「伝統を守ること」と「制度として続けること」は、分けて考えた方がよい。今の皇位継承は男系男子に限られ、継承できる方も少ない。皇室全体の人数も減り、若い世代も限られている。このままでは、守るべき伝統があっても、担う人がいなくなる心配がある。 天皇はこれからも、政治権力ではなく... 続きをみる

  • 47.日本おとぎ噺 「雷さまと桑の木(かみなりさまとくわのき)」

    ある夏の日の午後、村の空がにわかにかき曇り、大きな雷がとどろいた。村人たちは驚いて家に飛び込むが、一人の男だけが畑仕事を続けていた。その男の畑の真ん中には、古びた大きな桑の木があり、男はその木が代々の守り木だと信じていた。 ある夏の日の午後、村の空がにわかにかき曇り、大きな雷がとどろいた。村人たち... 続きをみる

    nice! 4
  • 20.『古典落語』死神(しにがみ)

    ある日、金もなく仕事もなく、死ぬ覚悟を決めた男のもとに、不気味な老人がふと現れる。「お前のような男を待っていた」と言い、男を「死神」と名乗って話し始める。曰く、この世には寿命を迎える人間に付き添う死神がおり、その死神が頭の方に立っていれば命は助かるが、足元に立っていれば助からぬ運命。だが、もし頭に... 続きをみる

    nice! 2
  • 「私の与太話」「高市さん」

    高市さん、ちょいと聞きますが、二年後に総理の椅子を畳むおつもりですか。消費税を上げるというのは、ただ財布から一円二円を取る話ではない。国民の台所へ手を入れる話で、昔から総理の寿命を縮める薬でございます。 歴代の総理も、消費税にはずいぶん苦労しました。上げると言えば怒られ、上げなければ財源が足りぬと... 続きをみる

    nice! 2
  • 46.日本おとぎ噺 「小太郎と母龍(こたろうとははりゅう)」

    信州の山深く、小太郎という名の少年がひとり母と暮らしていた。母は物静かで、何かを隠しているような雰囲気をまとっていた。父のことを聞いても「遠い山の神様」としか教えてくれず、少年は不思議に思いながらも、優しい母と山里の生活を続けていた。 ある日、母は小太郎に真実を告げる。「私は龍なのです。もうこの姿... 続きをみる

    nice! 1
  • 20.『江戸小咄』の「新五左殿(しんござどの)」

    町で評判の武士、新五左衛門殿――略して「新五左殿(しんござどの)」と呼ばれる男。 剣術にすぐれ、立ち居振る舞いも見事で、町娘たちの憧れの的。 町人たちも「新五左殿にゃかなわねぇ」と舌を巻く、粋で気風のいい人物であった。 ある日、新五左殿が長屋の前を通ると、子どもたちが竹刀でチャンバラごっこをしてい... 続きをみる

    nice! 2
  • 「私の与太話」「国旗」

    国会で「国旗を傷つけたら罪にする」と言い出した。そこまでは分かる。ところが話は、「小さく書いたらどうだ」「大きく書いたら損壊か」「すみっこなら落書きか」など、急に習字教室の添削みたいになってきた。国を守る話のはずが、いつの間にか筆の太さと文字の位置の相談である。 そこへ誰かが「では旭日旗はどうなる... 続きをみる

    nice! 1
  • 45.日本おとぎ噺 「古屋のもり(ふるやのもり)」

    ある夜のこと。村はずれの古びた家に、老夫婦が二人きりで暮らしていた。そこへ嵐が来て、雨がざあざあ降る晩。戸をたたく音に驚いて出てみると、そこには泥だらけの泥棒が。なんとこの古屋に忍び込もうというのだ。だが、家があまりにもぼろくて何も盗るものがないとわかると、泥棒は屋内に入り、火鉢のそばで老夫婦と一... 続きをみる

  • 19.『古典落語』「文七元結(ぶんしちもっとい)」

    本所に住む左官の長兵衛(ちょうべえ)は、腕はよいが博打好き。ある日、ついに身代をすっかりすってしまい、女房もあきれ顔。娘のお久(おひさ)は吉原に身売りしようとするが、これを知った長兵衛はさすがに胸を打たれ、「明日には金を持ってくるから」と約束し、金策に走る。ようやく吉原の女将・お駒にすがり、五十両... 続きをみる

    nice! 2
  • 「私の与太話」「兵器」

    ウクライナで壊れたロシアの武器を調べたら、中から日本製の電気部品がぞろぞろ出てきた。メーカーは驚いて、「そんな所で働いているとは聞いておりません」と頭を下げる。部品にも転職の自由があるらしい。 「当社は武器用に輸出した覚えはありません。民生品として売っただけです」と言う。なるほど、米を売って握り飯... 続きをみる

    nice! 4
  • 44.日本おとぎ噺 「絵姿女房(えすがたにょうぼ)」

    昔、ある村に若者の絵師が住んでいた。腕は立つが貧しく、妻も子もいなかった。ある日、絵師はふと「理想の女性を絵に描いてみよう」と思い立つ。思いを込めて描いたその女の絵は、優しく微笑む美しい姿だった。絵師は日に日にその絵に惹かれていき、「こんな女房がいたら」と話しかけるようになった。 ある夜、絵師がう... 続きをみる

    nice! 2
  • 19.『江戸小咄』「田舎者(いなかもの)」①

    ある日の夕暮れ、江戸の町にひとりの田舎者がやって来た。 浅草から上野を回り、物見遊山に心を躍らせながら、粋な町人たちの行き交う姿にいちいち感心していた。 「江戸はなんと華やかなことか」と、彼は目を丸くして歩き回る。 ふと目に入ったのは、店先で職人が器用に飴細工を作る光景。田舎者は感嘆の声をあげる。... 続きをみる

    nice! 3
  • 「私の与太話」「世論調査」

    現代の世論調査とは、いったい誰に聞いているのだろう。電話、ネット、調査票の郵送、訪問調査。名を聞けばいろいろあるが、我が家には郵送も訪問も来たことがない。世論という大きな声の中に、我が家の声はどうも混じっていないらしい。 電話アンケートはたまに来るのかもしれないが、知らない番号は出ないことにしてい... 続きをみる

    nice! 3
  • 43.日本おとぎ噺 「三枚のお札」

    ある山寺に、元気で少しやんちゃな小僧さんがいました。ある日、和尚さんから山へキノコ採りを頼まれた小僧は、「山には山姥(やまんば)がいるから気をつけなさい」と忠告されます。念のため、和尚さんは三枚のお札を渡し、「困ったときに唱えれば助けてくれる」と教えます。小僧は「へっちゃら!」と笑いながら山へ向か... 続きをみる

    nice! 2
  • 「私の与太話」「よいとまけの歌」

    土木現場の朝。母は泥にまみれ、重い綱を引いて働いている。周囲の男たちに交じり、汗を流しながら、ただ一人の子を食べさせるために歯を食いしばる。掛け声は朝の空に響く。「エンヤーコーラ、エンヤーコーラ」。子どもはその姿を遠くから見て、恥ずかしさと寂しさを胸に抱く。 学校では、母の仕事をからかわれる。子ど... 続きをみる

    nice! 3
  • 『粋の極み ・笑いの匠たち』16~18

    16.三遊亭円歌(さんゆうていえんか)「3代目」 生年月日昭和7年(1932年)1月10日 没年月日平成29年(2017年)4月23日 享年:85歳 三代目 三遊亭圓歌は、昭和7年(1932年)に東京・向島で生まれ、戦後の落語界を代表する名人の一人です。1945年に二代目三遊亭円歌に入門し、前座名... 続きをみる

    nice! 2
  • 「私の与太話」「食べ嫌い」

    我が家では、食事の好みが正反対です。私は骨の付いた魚が苦手。子どものころ、鯛の骨を喉に刺して大騒ぎになって以来、焼き魚を見るだけで肩に力が入ります。一方、家内は肉がまるで駄目。幼いころ、飼っていた鶏が首を絞めておかずになった日から、肉料理を見ると箸が止まるのです。 そのため結婚以来、食卓にはいつも... 続きをみる

  • 42.日本おとぎ噺 「ねずみのすもう」

    ある日、山の中に住むおじいさんが山へ柴刈りに行くと、木陰の下で二匹のねずみがすもうをとっていました。よく見ると、一匹はやせ細っていてすぐに投げ飛ばされ、もう一匹は丸々と太ってとても強そうです。不思議に思ったおじいさんは、しばらく様子を見たあと家に戻ります。 その夜、おじいさんはおばあさんに山で見た... 続きをみる

    nice! 1
  • 18.『古典落語』「お見立て(おみたて)」

    江戸の色街・吉原通いに熱を上げていた若旦那・清三郎(きよさぶろう)。馴染みの花魁・花魁小糸(こいと)にぞっこんだったが、ある日ぱったりと会えなくなった。理由も告げられず、門前払いを食らうばかり。恋患いの若旦那は、日に日に痩せ細り、番頭やご隠居も心配顔。「このままじゃ病になりかねん」と頭を抱える。 ... 続きをみる

    nice! 1
  • 「私の与太話」「給食費」

    変わった話を聞いた。小学校の給食で「いただきます」「ごちそうさま」はおかしいと言う保護者がいるそうだ。「お金を払っているのに、なぜ礼を言うのか」という理屈らしい。なるほど、財布の中だけ見ればそう見えるのかもしれない。 けれど給食は、親の給食費だけでできているわけではない。公金も入り、調理員さん、配... 続きをみる

    nice! 1
  • 41.日本おとぎ噺 「梨とり兄弟(なしとりきょうだい)」

    昔々、ある山里に貧しい兄弟が住んでいた。兄は欲深く、弟は心優しい働き者であった。ある年の秋、村の子供たちが「山の向こうに大きな梨の木がある」と話しているのを聞いた兄弟は、「梨を採って売れば、お金になる」と考え、山を越える決心をする。 山奥を進んだ兄弟は、やがて谷底にそびえる見事な梨の木を見つける。... 続きをみる

    nice! 2
  • 18.『江戸小咄』「初夢(はつゆめ)」

    元日の朝。長屋の八五郎(はちごろう)、新年の挨拶回りから戻るなり、女房にこう言った。 「こちとら、初夢が縁起もんだってんで、昨夜は枕の下に宝船の絵を忍ばせて寝たのさ」 女房が「そりゃめでたいねぇ」と笑うと、八五郎はふんぞり返って続けた。 「そしたらよ、夢ん中で、なんと富士のてっぺんに登って、茄子を... 続きをみる

    nice! 1
  • 40.日本おとぎ噺 「髪長姫(かみながひめ)」

    昔々、ある村に身寄りのない老夫婦が住んでおりました。子どもに恵まれなかったふたりは、神さまに毎日お祈りをしていました。するとある晩、老夫婦のもとに夢のお告げがあり、「川のほとりに行けば、授かるものがある」と告げられます。翌朝、ふたりが川辺に行くと、大きな桃のような包みに包まれた赤子が流れてきました... 続きをみる

    nice! 1
  • 17.『古典落語』「たちきり」

    吉原通いが日課だった若旦那・清三郎(きよさぶろう)は、馴染みの遊女・お久(おひさ)との関係に終止符を打たれてしまう。理由は、「他の大店に身請けされることが決まったから」とのこと。すっかり気落ちした清三郎は、それ以来、飯も喉を通らず、昼も夜も布団の中でうつぶせたまま。心配した番頭がご隠居に相談し、何... 続きをみる

    nice! 1
  • 39.日本おとぎ噺 「風の神とこども」

    むかしむかし、ある山里に元気な男の子が住んでいました。風が強い日でも外を駆けまわるのが大好きで、風の音に耳をすませては、「風の神さま、もっと吹いてくれ!」と呼びかけていました。村の人々は「風の神さまは気まぐれじゃ。あまり挑発すると怒らせるぞ」と心配しましたが、男の子は笑って気にしませんでした。 あ... 続きをみる

    nice! 1
  • 17.『江戸小咄』「下女(げじょ)」

    ある長屋の商家に、まじめで口数の少ない下女・お春(おはる)がいた。若いながらも気立てがよく、掃除洗濯に炊事と、主の家に尽くして働いていた。だが密かに思うことがあった。――「一度でいいから、少しはおしゃれをして、お店の表を歩いてみたい……」と。 ある日、奥様が外出中にふと... 続きをみる

    nice! 1
  • 38.日本おとぎ噺 「一休さん(いっきゅうさん)」

    昔、京都のとある寺に、一風変わった小坊主がいました。その名は一休(いっきゅう)。賢く、いたずら好きで、何よりも「理屈より心」を大切にする少年でした。ある日、寺の和尚が「この橋は渡るべからず」と札を立てた橋を見物に出かけます。見張り役の坊主たちは、誰も橋を渡れないように警戒していました。 そこへ現れ... 続きをみる

    nice! 1
  • 16.『古典落語』「明烏(あけがらす)」

    品行方正を絵に描いたような若旦那・時次郎。年は二十そこそこ、髷も初々しく、母のいいつけを守ってお寺通いと学問三昧。遊びの「ゆ」の字も知らぬ堅物ぶり。町の者たちは「このままでは男が腐る」と心配し、馴染みの遊び人・源兵衛と田之助が一計を案じる。無垢な若旦那を花街に連れ出して、“男の世界&r... 続きをみる

  • 37.日本おとぎ噺 「鉢かつぎ姫(はちかつぎひめ)」

    昔、ある国に美しく優しい姫が生まれましたが、幼くして母親を亡くしてしまいます。母は死ぬ間際に、姫の身を守るために「誰にもこの鉢を外してはならぬ」と言い残して、姫の頭に鉢をすっぽりと被せました。それ以来、姫は「鉢かつぎ姫」と呼ばれるようになりました。 成長した姫は、鉢をかぶったままでも心の美しさがに... 続きをみる

  • 16.『江戸小咄』「医案(いあん)」

    長屋の裏手に住む与太郎、ある朝から腹が痛いと顔をしかめる。隣のご隠居が心配して見舞うと、「昨夜の豆腐が悪かったのかも」と与太郎。だが様子がどこか芝居がかっている。ご隠居、「お前、医者にかかったことはあるかい?」と問うと、「へぇ、なしでさぁ。医者は高ぇし、薬も苦ぇし」と苦笑い。 だが、痛みが引かぬと... 続きをみる

  • 36.日本おとぎ噺 「しょじょ寺の狸ばやし」

    むかしむかし、武蔵の国に「しょうじょじ(証城寺)」という古いお寺がありました。ある秋の夜、和尚(おしょう)さんが一人、本堂で晩酌を楽しんでいました。夜も更け、虫の音が響く中、和尚はふと思いつき、「こんな夜に狸が踊りに来るという話があるが、どうせ迷信だろう」と笑って一人言をこぼしました。 そのとき、... 続きをみる

  • 『粋の極み ・笑いの匠たち』13~15

    13.古今亭今輔(ここんていいますけ)「6代目」 生年月日昭和45年(1970年)7月30日 没年月日 ご存命 2026年6月21日現在:満55歳 六代目 古今亭今輔(本名:水口直樹)は、昭和45年(1970年)7月30日生まれ、群馬県富岡市出身の落語家です。東海大学工学部卒業後、平成6年(199... 続きをみる

  • 35.日本おとぎ噺 「養老の滝(ようろうのたき)」

    むかし、美濃の国(現在の岐阜県)に、親思いの若者が住んでいた。父は病で寝たきりとなり、働けなくなっていたが、息子は文句も言わず、山で薪をとり、貧しいながらも二人で慎ましく暮らしていた。 ある日、息子はいつものように山へ入ると、森の奥から不思議な香りがただよってきた。不思議に思って近づくと、岩の間か... 続きをみる

    nice! 2
  • 15.『古典落語』「子別れ(こわかれ)」

    八五郎は、酒に溺れては家に金も入れず、博打と喧嘩に明け暮れる日々。ついには堪忍袋の緒が切れた女房、おたかが三行半を突きつけ、幼い息子・亀吉を連れて実家へ帰ってしまう。「出てけ!」と言われたときの八っつぁんの負け惜しみと空元気、しかしその実、胸の奥ではポッカリと大きな穴が開いたような淋しさを感じてい... 続きをみる

    nice! 2
  • 34.日本おとぎ噺 「ちょうふく山の山んば」

    昔、ちょうふく山のふもとの村に、あるおばあさんが住んでいました。ある日、町へ織った布を売りに行こうと山道を越えていると、山の途中で突然天気が悪くなり、雷雨に見舞われます。困ったおばあさんが雨宿りできる場所を探していると、奥深い林の中に一軒の古びた家を見つけます。そこで「もしや…&he... 続きをみる

  • 15.『江戸小咄』「蜜柑(みかん)」

    ある冬の日のこと。貧しい長屋に住む八五郎(はちごろう)、体調を崩した幼い娘のために何か滋養のあるものをと、町中を歩き回る。寒空の下、売り声が聞こえてきた。「みかん、みかん〜」と威勢のいい声。娘が蜜柑を食べたがっていたのを思い出し、懐の小銭を握りしめて、八百屋の露店に立ち寄る。 だが、手持ちの銭では... 続きをみる

    nice! 1
  • 33.日本おとぎ噺 「猿地蔵(さるじぞう)」

    昔、貧しいが心の優しいおじいさんと、おばあさんが山里に住んでいました。ある冬の日、おじいさんは山へ薪を取りに行きましたが、大雪で道に迷ってしまいます。寒さに震えていると、ふと目の前に古びた地蔵さまが現れました。おじいさんはその地蔵に「助けてください」と手を合わせ、しばらくそばに座って雪をしのぎまし... 続きをみる

    nice! 2
  • 14.『古典落語』「藪入り(やぶいり)」

    江戸の町に、盆と正月だけ奉公人が休みをもらって実家に帰る「藪入り」の風習あり。ある長屋、堅気な職人の父親と、口数の少ない母親のもとへ、久々に一人息子・亀吉が帰ってくる。町の連中も「亀坊が帰ってくる日か」と噂するほど、親の喜びようはひとしおで、前の晩から母親は赤飯を炊き、父親は風呂を焚いて待ちわびて... 続きをみる

  • 32.日本おとぎ噺 「力太郎(ちからたろう)」

    むかし、ある村に年老いた夫婦がいた。ふたりは貧しいながらも仲睦まじく暮らしていたが、子どもがいないのが長年の悩みだった。ある日、婆さまが垢(あか)だらけの体を洗いながら、「この垢で子ができたらいいのに」とつぶやいた。すると、その垢から人の形をした赤ん坊が現れた。「おお、こりゃ力太郎じゃ!」と名づけ... 続きをみる

    nice! 1
  • 14.『江戸小咄』「剣術指南所(けんじゅつしなんしょ)」

    江戸の町の裏手に、ひっそりと佇む一軒の剣術指南所があった。看板には「一刀流指南」とあり、師範の政五郎(まさごろう)は齢五十を越すが、今も竹刀の音高らかに稽古をつけていた。腕は確かと評判ながら、最近は門弟も少なく、ひとりの若者が通うのみ。町人たちは「もう時代じゃねえ」と囁くも、政五郎は黙々と日々を鍛... 続きをみる

  • 31.日本おとぎ噺 「龍の淵(りゅうのふち)」

    むかし、山奥の村に、大きな淵(ふち)がありました。村人たちは「龍の淵」と呼び、決して近づきませんでした。というのも、その淵には、龍が棲んでいるという古い言い伝えがあったからです。ある年の夏、淵のそばの田んぼで農作業をしていた若者が、ふと水面に美しい光を見つけました。それはまるで龍の鱗のように、きら... 続きをみる

  • 13.『古典落語』「のめる」

    江戸の町、酒好きで知られる八五郎が、長屋仲間に「おれは酒にめっぽう強い」と吹聴する。誰もが「八っつぁんはのめる(=呑める)」と太鼓判を押すほどの酒豪だ。ある日、ご隠居が「本当にどれだけ呑めるのか、一度試してみたいもんだねぇ」と呟いたのがきっかけで、皆の前で“のめる”実力を披... 続きをみる

    nice! 1
  • 30.日本おとぎ噺 「牛若丸(うしわかまる)」

    昔々、京の町の外れに、**牛若丸(うしわかまる)という美しい少年がいました。牛若丸は、亡き父の志を胸に、山深い鞍馬寺で修行の日々を送っていました。ある晩、山の杉林で剣の稽古に励んでいると、赤ら顔に長い鼻の大天狗(だいてんぐ)**が現れ、「お前に秘剣を授けよう」と告げます。こうして、牛若丸は空を飛ぶ... 続きをみる

  • 13.『江戸小咄』「御髭(おひげ)」

    江戸の町、浅草の裏長屋に住む与兵衛(よへえ)は、年の頃は四十手前、独り身で、毎朝ていねいに髭(ひげ)を整えるのが日課という、ちょいと小粋な男である。町内では「髭の与兵衛」として親しまれ、子どもたちにも慕われていた。そんな彼に、ご隠居が声をかけた。 「与兵衛さん、その髭、どうしてそんなに見事なんで?... 続きをみる

    nice! 1
  • 29.日本おとぎ噺 「初夢長者」

    昔々、貧しいが心優しい男が村に住んでいた。元旦の夜、男は枕の下に七福神の絵を敷いて眠ると、不思議な夢を見た。夢の中で白い着物を着た老人が現れ、「江戸の橋のたもとに行け。そこで運を得る」と告げた。目覚めた男は、その夢をただの寝言とは思わず、さっそく旅の支度を始めた。 男は江戸へ向かい、橋のたもとに立... 続きをみる

    nice! 1
  • 『粋の極み ・笑いの匠たち』10~12

    10.古今亭志ん朝(ここんていしんちょう)「3代目」 生年月日:昭和13年(1938年)3月10日 没年月日:平成13年(2001年)10月1日 享年:64歳 古今亭志ん朝(ここんてい しんちょう)三代目は、昭和・平成を代表する江戸落語の名人で、本名は美濃部強次。父は昭和の大名人・古今亭志ん生。明... 続きをみる

    nice! 2
  • 28.日本おとぎ噺 「うばすて山」

    昔々、ある村に、年老いた人々を捨てなければならぬという悲しい掟がありました。村では口減らしのため、六十を超えた親は山へ捨てられる運命でした。 ある日、素朴な心を持つ一人の青年が、病を抱える年老いた母を背負い、涙ながらに山道を登っていきました。母は道中、「ここを右に曲がると村に戻れる」とか「この木を... 続きをみる

    nice! 1
  • 12.『古典落語』「厩火事(うまやかじ)」

    八五郎の女房・おとよが、最近どうにも様子がおかしい。ふとんを並べても背を向け、口も利かない。八五郎は困り果て、長屋のご隠居に相談に行く。ご隠居は「女というものは火のようなもの」と説き、おとよの心の内を探るよう諭す。そしてこう助言する――「まずは気持ちを確かめてみなされ」と。江戸の裏長屋、ご隠居の知... 続きをみる

    nice! 1
  • 27.日本おとぎ噺 「貧乏神と福の神」

    むかしむかし、ある村に正直者の男が住んでいた。貧しくとも愚痴ひとつ言わず、毎日コツコツ働いて暮らしていた。ある晩、男の家に奇妙な客が現れる。それは「貧乏神」と名乗るやせ細った男だった。 「ここに居候させてくれ」と頼まれた男は、あっさりと了承し、「お前も腹が減っておるのか、まあ食っていけ」と笑って団... 続きをみる

    nice! 1
  • 12.『江戸小咄』「鶉(うずら)」

    江戸の町は春の宵、町角に立つは長屋住まいの八五郎(はちごろう)。日がな一日を無為に過ごし、のんびり鼻をほじっていたところを、向こうからふらりと現れたのは、隣町で評判の物知りご隠居。 「おう八、何をしてる?」 「へい、ちょいと…鼻でもいじっておりました」 江戸の市井に生きる男の、なんと... 続きをみる

    nice! 2
  • 26.日本おとぎ噺 「ききみみ頭巾」

    昔、ある旅の僧が山の中を歩いていると、夕暮れにさしかかり、あたりはすっかり暗くなってしまった。仕方なく森の中で夜を明かすことにした僧は、大きな木の根元に腰を下ろし、風をしのいでいた。すると、木の上から奇妙な声が聞こえてくる。「今日の坊主は太ってるぞ」「今夜はうまそうだな」。その声は、木の上に集まっ... 続きをみる

    nice! 1
  • 11.『古典落語』「一目上がり(ひとめあがり)」

    江戸の長屋裏にある賭場では、博打打ちたちがひしめき合っていた。丁か半か、サイコロの音が夜の静けさに響く。そんな中、ある若者が現れ、最初の勝負で見事に「一目上がり(出目が一で勝ち)」を決める。「こりゃ縁起がいい」と周囲も盛り上がり、彼は次々と勝ちを重ねていく。 若者は日を重ねるごとに勝ち続け、「一目... 続きをみる

    nice! 1
  • 25.日本おとぎ噺 「一寸法師」

    昔々、ある老夫婦が「子どもがほしい」と毎日神に祈っていたところ、ついに願いが叶い、指ほどの小さな男の子が生まれた。「一寸法師(いっすんぼうし)」と名づけられたその子は、背は小さいが心は立派。成長してやがて、「都に行って侍になりたい」と願い、お椀の船に針の刀、箸の櫂を持ち、川を下って都を目指す。 や... 続きをみる

    nice! 2
  • 11.『江戸小咄』「蕣(あさがお)」

    ある町の裏店に住む若い娘、およしは、毎朝欠かさず庭に咲く蕣(あさがお)を眺めるのを楽しみにしていた。短命なその花を愛おしみ、夜明けとともに起きては、咲いたばかりの花に声をかけ、水をやっては手を合わせていた。その姿は、近所の者の目にも「風流な娘」と映っていた。 ある日、裏長屋の表に住む職人・新八がふ... 続きをみる

    nice! 1
  • 24.日本おとぎ噺 「わらしべ長者」

    昔、貧しいけれど心のやさしい若者がいた。ある日、観音様にお参りしたところ、「最初に手にしたものを大切に持って歩け」とお告げを受ける。寺を出た彼の手に、たまたま一本の「わらしべ(藁のしべ)」があった。 歩く途中、赤子をあやすために藁のしべを欲しがった女に渡すと、お礼にミカンをもらう。そのミカンは、喉... 続きをみる

    nice! 2
  • 10.『古典落語』「うそつき村(うそつきむら)」

    江戸の町にて、旅の噺好きが耳にしたのは、"嘘しか言わぬ村"があるとの話。その名も「うそつき村」。興味津々、男は早速そこへ向かうこととした。道中、旅籠の亭主や道端の百姓らも口を揃えて「あの村の連中は、嘘しかつかん」と言う。道を進むうち、男の胸は高鳴り、目の前に現れたのは、どこかの... 続きをみる

    nice! 3
  • 23.日本おとぎ噺 「浦島太郎」

    浦島太郎(うらしまたろう)は、心やさしい漁師の青年。ある日、村の浜辺で、子どもたちが一匹の小さな亀をいじめているのを見つけた。「かわいそうに」と浦島は子どもたちをたしなめ、亀を助けて海へ逃がしてやった。穏やかな波の向こうへ泳ぎ去る亀を、浦島は優しい目で見送った。 数日後、海で漁をしている浦島の前に... 続きをみる

    nice! 5
  • 10.『江戸小咄』「馬鹿娘(ばかむすめ)」

    江戸は下町、夕暮れどき。ある商家に、ちょいとばかしとろい娘がおりまして、近所の者は「いい娘だけど、ちとぬけてる」と噂していた。年頃も過ぎたが、見合いの話は来ては立ち消え。親も頭を悩ませていた。 ある日、町内で火事があり、人々は大騒ぎ。娘は「火事だ!火事だ!」と叫びながら、店先にあった大福帳を抱えて... 続きをみる

    nice! 1
  • 22.日本おとぎ噺 「塩ふきうす」

    昔々、あるところに仲の良い兄弟が住んでいました。しかし、あるとき兄は欲深くなり、弟の持ち物を取り上げ、弟を家から追い出してしまいました。弟は何も持たずに、貧しい生活を余儀なくされますが、心の優しい男でした。 ある日、弟は山で困っている老人を助けました。老人はそのお礼に「塩をふき出す不思議なうす」を... 続きをみる

    nice! 1
  • 『粋の極み ・笑いの匠たち』7~9

    7.桂米朝(かつらべいちょう)「3代目」 生年月日:昭和2年(1927年)11月6日 没年月日:平成27年(2015年)3月19日 享年:87歳 桂米朝(かつらべいちょう)3代目は、上方落語を代表する名人で、本名は中川清(なかがわ きよし)。昭和戦後の荒廃期から、上方落語の復興に尽力し、多くの古典... 続きをみる

    nice! 1
  • 21.日本おとぎ噺 「花咲か爺さん」

    むかしむかし、ある村に心優しいおじいさんとおばあさんが住んでいました。ふたりは貧しいながらも仲良く暮らし、周囲の生き物にも分け隔てなく愛情を注いでいました。ある日、一匹の白い犬がやってきて、老夫婦に懐きます。ふたりはこの犬を「シロ」と名づけ、まるで子どものように大切に育てました。 ある日、シロが庭... 続きをみる

    nice! 1
  • 9. 『古典落語』「碁どろ(ごどろ)」

    町内に住む碁好きの隠居が、今日も暇を持て余しつつ、誰か相手が来ないかと待っていた。そこへ現れたのが、見慣れぬ若者。物腰柔らかで、碁も少々打てるというので、さっそく対局が始まる。だがこの若者、素人を装いながらも、じつはかなりの腕前。隠居はまったく歯が立たず、連戦連敗で悔しがる。 それでも勝てぬとなる... 続きをみる

    nice! 1
  • 20.『日本おとぎ噺』 「かぐや姫」

    昔、竹取の翁(おきな)が山で竹を取っていたところ、不思議に光る竹を見つける。切ってみると、なんと中から小さな女の子が現れた。翁は驚きつつも喜び、女の子を連れて帰り、妻とともに育てることに。やがて娘は美しい少女へと成長し、「かぐや姫」と名づけられた。 かぐや姫の美しさは都中に広まり、多くの貴族が求婚... 続きをみる

  • 9.『江戸小咄』「浪人(ろうにん)」①

    時は江戸の町暮れどき、辻々には提灯の灯がゆらめく頃。ある浪人が、世の荒波にもまれつつ、食うや食わずの暮らしをしておった。武士の誇りを胸に抱きながらも、刀を売り、酒に頼り、今や路地裏の長屋暮らし。隣近所も、物静かなその浪人を、どこか気の毒に思いながら、遠巻きに見ていた。 そんな折、長屋の婆さまが風邪... 続きをみる

    nice! 1
  • 19.『日本おとぎ噺』 「雀とキツツキと山鳩」

    昔々、ある山のふもとの森に、雀(すずめ)、キツツキ、**山鳩(やまばと)**の三羽が仲良く暮らしていました。ある日、「どこかに住むのにちょうどいい場所はないかな」と話し合い、三羽はそれぞれ家を建てることにします。 まずキツツキが、「木を叩くのは得意だぞ」と言って、一生懸命木の中をくりぬいて立派な巣... 続きをみる

    nice! 3
  • 8. 『古典落語』「鴻池の犬(こうのいけのいぬ)」

    江戸の町に住む町人の男、ある日ふとしたきっかけで一匹の犬と出会う。どうやらこの犬、大阪・鴻池の大店から迷い出てきたらしい。首に巻かれた札に「届けてくれた者には礼金三両」とある。男は目を輝かせ、「こりゃひと稼ぎになる」と意気揚々と犬を連れて旅に出る決意をする。 江戸から大阪までは遠路の道中。男は犬と... 続きをみる

    nice! 4
  • 18.『日本おとぎ噺』 「たにし長者」

    むかしむかし、ある村に年老いた母と、その一人息子が住んでおりました。ところがこの息子、生まれながらにして人間ではなく、なんと**たにし(田螺)**の姿をしていたのです。母は驚きながらも、「どんな姿でもわが子に変わりはない」と、毎日大事に育てました。 ある日、たにしの子は「おらも、嫁っこがほしい」と... 続きをみる

    nice! 6
  • 8.『江戸小咄』「挑灯(ちょうちん)」

    ある晩のこと、江戸の裏町。若い男が、暗がりの道をふらりと歩いていた。ちょうど町の辻にさしかかると、向こうから提灯の明かりが近づいてくる。「おや、誰か来るな」と男は立ち止まり、様子を見る。 その提灯を持っていたのは、隣町で評判の乱暴者・権六。喧嘩早くて、ひとたび怒らせれば手がつけられぬ。男は身を引こ... 続きをみる

    nice! 2
  • 17.『日本おとぎ噺 』「鶴の恩返し」

    むかしむかし、雪深い村に一人の若者が住んでいました。ある寒い日のこと、山道で罠にかかった一羽の鶴を見つけます。羽は血に染まり、今にも命絶えんばかり。若者は「こんな寒さでは死んでしまう」と言い、罠を外して鶴を放してやりました。鶴は一度こちらを見つめると、空高く飛び去っていきました。 数日後、吹雪の夜... 続きをみる

    nice! 3
  • 7. 『古典落語』「初天神(はつてんじん)」

    正月も明けて、江戸の町はのどかな陽気に包まれていた。ある町内のご隠居、ひと息ついて茶をすするところへ、ふらりと息子・金坊(きんぼう)が現れる。「なァ、ご隠居、初天神に連れてってよ」。ご隠居、ひとしきり渋るものの、孫に甘くては敵わない。「わかった、行こう。ただし、今日は“何も買わぬ&rd... 続きをみる

    nice! 3
  • 16.『日本おとぎ噺』 「天福地福」

    昔むかし、ある山里に「天福(てんぷく)」という名の、やさしく気立てのよい男が住んでおった。天福は貧しいながらも正直者で、山の薪を拾っては町で売り、母とふたりでつましく暮らしていた。ある日、山道で迷った旅の僧に出会い、持っていた団子を差し出し、道案内までしてやった。僧は深く感謝し、「よいことがあるじ... 続きをみる

    nice! 2
  • 7.『江戸小咄』「盗人(ぬすっと)」①

    夜も更け、長屋の一軒に泥棒が忍び込んだ。家主は目を覚ますが、寝たふりをして様子を窺う。部屋の隅でごそごそ音がする。「さて、何を盗ってゆくやら」と心で思いながら、家主はそっと耳を澄ませる。 ところが、盗人は戸棚や箪笥を探っても、何も見つからぬ様子。ため息まじりに「こりゃ貧乏長屋もいいとこだ」とぼやく... 続きをみる

    nice! 7