語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

「私の与太話」「御朱印」

100えんメガネ

御朱印を集め始めたころ、私は半分は旅の記念、半分はスタンプラリーのつもりであった。神社や寺で手を合わせ、帳面を出すと、朱の印と墨の字がさらさらと入る。それだけで、ただの寄り道が、急にありがたい旅になったような気がした。



ところがある寺で、「御朱印はスタンプではありません」と言われた。こちらは帳面を出しただけのつもりだったが、寺から見れば心を出していなかったらしい。もともとは写経を納めた証だと聞き、ただ「お願いします」では虫がよすぎると気づいた。



それから御朱印帳を見る目が少し変わった。一枚一枚が観光の記念ではなく、その日にそこまで歩き、頭を下げた証に見えてくる。とはいえ信心深くなったわけではない。境内では社務所を探し、駐車場を気にし、石段を見て膝と相談している。



それでも帳面を開くと、墨のにおい、砂利の音、遠州の風、階段で息切れしたことまで戻ってくる。ありがたいのは御朱印だけではない。そこまで歩いて行けた自分の足も、なかなかありがたい。――御朱印より先に、まず膝に合掌である。――