語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

8.『江戸小咄』「挑灯(ちょうちん)」

100えんメガネ

ある晩のこと、江戸の裏町。若い男が、暗がりの道をふらりと歩いていた。ちょうど町の辻にさしかかると、向こうから提灯の明かりが近づいてくる。「おや、誰か来るな」と男は立ち止まり、様子を見る。

その提灯を持っていたのは、隣町で評判の乱暴者・権六。喧嘩早くて、ひとたび怒らせれば手がつけられぬ。男は身を引こうとするが、権六のほうもじっとこちらを見て止まった。夜の辻で、ふたりの間に沈黙が落ちる。

「おい、そこの提灯!」と男が声をかける。「こっちへ寄越せ、道が暗くてな」と、虚勢を張って言い放つ。すると権六、「おぉ、いいぜ」と案外あっさり差し出す。男は拍子抜けしながらも、胸を張って受け取る。

だが権六、にやりと笑って一言。「その提灯、さっきお前んとこの表から盗んできたんだ」。男は顔を引きつらせ、提灯を見れば、確かに自分の家紋入り。権六は笑いながら闇に消えてゆく。
江戸の夜、提灯一つに笑いと肝の冷える話が灯った。