『宮沢賢治・光と風の物語』 第十五回「水仙月の四日」第4話 命を守った赤い毛布/全4話
激しい吹雪が過ぎた朝、雪原に倒れていた子どもは、遠くから聞こえる人の声に気づいて目を開いた。体の上には赤い毛布が掛かり、その周囲には雪童子が集めた柔らかな雪が風よけのように積もっていた。子どもは寒さに震えながらも、まだ生きていた。 雪の上に立てられた木の枝を見つけた村人たちは、その近くに倒れている... 続きをみる
語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち
日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。 よかったら ★nice! をポチット押してね。
激しい吹雪が過ぎた朝、雪原に倒れていた子どもは、遠くから聞こえる人の声に気づいて目を開いた。体の上には赤い毛布が掛かり、その周囲には雪童子が集めた柔らかな雪が風よけのように積もっていた。子どもは寒さに震えながらも、まだ生きていた。 雪の上に立てられた木の枝を見つけた村人たちは、その近くに倒れている... 続きをみる
寒風吹きすさぶ冬の朝。長屋の与太郎は、大家の指図で薪を買いに行くことに。だが金は一文も渡されず、「勘定は“つけ”で頼め」とのこと。「つけだなんて、ちょいと気が引けるな」と与太郎は呟きつつも、仕方なく薪屋へ向かう。 薪屋の店先では、主人がせっせと薪を束ねていた。与太郎は恐る恐... 続きをみる
連日の猛暑で、私は「命を守るためだ」と冷房を強くし、冷蔵庫にはアイスと冷たい飲み物を詰め込んだ。妻は電気代の明細を見ながら、「その食欲まで冷やせませんか」と言う。私は聞こえないふりをして、二本目のアイスに手を伸ばした。 そこへ小さな地震が来た。私は慌てて非常持出袋を点検し、水、懐中電灯、乾パンを詰... 続きをみる
昔むかし、ある国に、**赤神(あかがみ)と黒神(くろがみ)**という二人の神さまが住んでいた。赤神は情に厚く、心優しい神で、黒神は厳格で、善悪に厳しい神だった。二神は山の中で人々を見守っていたが、あるとき「どちらの教えが人を幸せに導くのか」で争うようになった。そこで、二人はある村に試練を与えて、そ... 続きをみる
町から帰る子どもは、雪婆んごが起こした激しい吹雪の中を必死に歩いていた。風は顔を打ち、雪は道も足跡も覆い隠していく。子どもは荷物を抱え、家の方角を確かめようとするが、白い景色の中では何も見分けられない。遠くでは雪童子たちが、吹雪に巻かれる子どもの姿を心配そうに見守っていた。 吹雪はさらに強まり、子... 続きをみる
春の午後、陽気に誘われて江戸の若旦那がぶらりと出かける。道すがら、「あくびの指南所」という珍妙な看板を目にし、好奇心から中へ入る。出てきたのは歳の頃五十ばかりの渋い男。「あくびを教える?冗談じゃねぇ」と思いつつも、話のタネにと指南を受けてみることに。 指南役、「まずは自然に、心から眠くなるように」... 続きをみる
テレビで消費税の議論を聞いていると、減税に反対する人が「税率を下げれば、政府の収入が減ってしまう」と心配していた。私は思わず首をかしげた。物価高で家計の支出が増えても、「工夫して乗り切れ」と言われるだけなのに、政府の財布だけは減ってはいけないらしい。 わが家では、電気をこまめに消し、特売日に買い物... 続きをみる
むかし、ある村の近くに川があり、川辺には河童(かっぱ)が住んでいると噂されていた。村人たちは川を恐れ、近づこうとしなかったが、ある年の夏、貧しい百姓の男が魚を獲りに川に入ったところ、足を滑らせて深みにはまり、もがいているうちに何かに足を引っぱられた。気づくと、背後には本当に河童が現れていた。 男は... 続きをみる
雪雲の奥に住む雪婆んごは、水仙月の四日にふさわしい激しい吹雪を起こそうとしていた。雪童子たちを呼び集め、野原を通る者を雪で包み、道を分からなくするよう命じる。雪童子たちは風に乗り、白い野原へ飛び出した。 雪童子たちは雪の中を駆け回り、風をうならせ、粉雪を空高く巻き上げた。野原も道もたちまち白く消え... 続きをみる
ある町の若旦那、教養が自慢で、漢文や唐詩をすらすらと書くのが得意。長屋の者たちは「唐様の若旦那」とあだ名をつけて、感心半分、からかい半分で見ていた。 ある日、その若旦那が書道の披露として、立派な掛け軸を長屋に見せに来る。「天高く馬肥ゆる秋」など、見事な筆致に皆ため息――だが、意味は誰もよく分からな... 続きをみる
近ごろ、近所のスーパーでもセルフレジが増えた。客が自分で商品のバーコードを読み取るので、店員を待たずに会計できる。私も便利だと思って使っているが、操作に手間取り、後ろの人から無言の圧力を受けることもある。 ところが、便利になった一方で、万引きも増えているらしい。商品を重ねて持ち、一つだけ読み取った... 続きをみる
むかし、ある山里に、心のやさしい若夫婦と年老いたお婆さんが三人で仲良く暮らしていました。年をとったお婆さんは、足腰が弱くなり、家のこともできなくなってきましたが、夫婦は「長生きしてくれるだけでありがたい」と笑顔で世話をしていました。 ある日、お婆さんは急に体が軽くなり、顔つきも若返っていくような不... 続きをみる
水仙月の四日、山里は朝から冷えこみ、空も雪を含んだように白く沈んでいた。子どもは家の用を言いつかり、町へ続く雪道を一人で歩き出す。遠くの山は青くかすみ、静かな景色の中に、冬のきびしさがひそんでいた。 道の両側には雪をかぶった木々や畑が広がり、足音だけがかすかに響く。子どもは寒さに肩をすぼめながらも... 続きをみる
長屋に住む一人の博打打ちの男。つきも運も尽き果て、賽(さい)を振っては外れ目ばかり。暮らしは傾き、財布はすっからかん。ある日、神社の境内で腰を下ろしていたところ、どこからともなく現れた白髪の老人が声をかけてくる。「あんた、よほど運がないようじゃな」。そう言うや、老人は懐から不思議な賽を取り出す。そ... 続きをみる
私は六十歳で退職したのを機に、久しぶりに歯医者へ行った。痛む歯はなかったが、長年使ってきた歯だけに、あちらはぐらぐら、こちらは欠けかけ。先生は口の中をひととおり眺め、「年相応に傷んでいますが、定期的に手入れをすれば、まだ使えますよ」と言った。 ところが私は考えた。これから一本ずつ治しては、また別の... 続きをみる
昔、山の噴火で畑が火山灰に覆われ、作物の実らなくなった村があった。ある寒い夕暮れ、腹をすかせた旅人が村へたどり着き、食べ物と一夜の宿を求めて家々を訪ねた。しかし、村人たちにも余裕はなく、誰も旅人を助けようとしない。庄屋は、大切な畑の大根を盗めば、火山灰に残った足跡をたどって代官所へ突き出すと言い放... 続きをみる
ある冬、小十郎は猟のため、雪深いなめとこ山へ入った。家族を養うには熊を撃つほかなかったが、熊への申し訳なさは消えない。激しい吹雪の中、小十郎は鉄砲を背負い、足跡を探して山奥へ進んだ。やがて大きな熊の姿を見つけ、静かに銃を構えた。 小十郎が狙いを定めた瞬間、足元の雪が崩れ、体勢を失った。熊は逃げず、... 続きをみる
ある町の長屋に住む与太郎、ある日風呂屋の帰りに町角で侍に呼び止められる。侍は真顔でこう問う。「そち、“睾玉”とは何ぞや?」与太郎は面食らい、「えぇと…金玉(きんたま)で?」と即答。侍はそれを聞いて深くうなずき、「なるほど、それがしの解釈と同じであったか」と満足... 続きをみる
今年も春になると、きゅうり、トウモロコシ、ピーマン、ナス、ミニトマトを植えた。ぶどうも実をつけ、花の苗も並べた。秋には食卓が自家製野菜でいっぱいになるはずだった。私は毎朝、畑を眺めては、「今年は八百屋へ行く回数が減るぞ」と、まだ採れてもいない収穫を数えていた。 ところが夏になると、雨は少なく、朝に... 続きをみる
昔、ある村に惣兵衛(そうべえ)という男が住んでいた。彼は働き者だが、何をしてもどこか抜けていて、村人たちは「そこつ(=そそっかしい)」と笑っていた。米俵を運べば転び、薪を拾えば水に落ち、常に何かやらかしていたが、本人はいたって陽気で気にしない。 ある日、惣兵衛は「一旗揚げてくる!」と突然言い出し、... 続きをみる
小十郎は仕留めた熊の皮と熊の胆を背負い、雪深い山を下って町へ向かった。家には食べ物を待つ家族がいる。熊を撃つことに胸の痛みを感じながらも、それ以外に暮らしを支える仕事はなかった。重い荷物を担ぎ、小十郎は黙って商人の店を目指した。 町の商人は熊の皮を広げ、傷がある、毛並みが悪いなどと言って安い値をつ... 続きをみる
31.立川談志(たてかわ ・だんし)「 7代目」 生年月日昭和11年1月2日 没年月日平成23年11月21日 享年:75歳 立川談志(たてかわ だんし) 本名松岡 克由(まつおか かつよし) は、昭和から平成にかけて活躍した日本の落語家であり、政治家でもありました。1936年(昭和11年)に東京都... 続きをみる
以前、糖尿病と診断されました。医者からは「原因の一つは酒です。やめなさい」と真顔で言われ、断酒会のある専門病院を紹介されたのです。私は観念して通院しましたが、待合室では年配の方々が「昨日も飲んじまった」「焼酎が忘れられん」と、実に楽しそうに酒の話をしておりました。私は椅子に座りながら、「これは治療... 続きをみる
昔々、ある村では、長く雨が降り続いていました。田畑は水に浸かり、作物は腐り、村人たちは困り果てていました。そんなある日、一人の若者が「この雨は神の怒りかもしれない」と考え、天に祈りを捧げました。すると夢の中に天の神が現れ、「この雨は“水の種”が地に落ちたためだ」と語り、「種... 続きをみる
小十郎は、なめとこ山の奥で一頭の大きな熊と出会った。熊は逃げようとせず、落ち着いた目で小十郎を見つめている。鉄砲を構えた小十郎は、その堂々とした姿に心を打たれ、すぐには引き金を引けなかった。山の静けさの中で、人と熊は言葉のないまま向き合った。 やがて熊は、人間の言葉を話すように小十郎へ語りかけた。... 続きをみる
江戸の裏長屋に住む職人風の男、金兵衛。長屋暮らしの気風者であるが、頑固者でもある。ある日、ひとり息子の亀吉が、道すがら漂ってきた香ばしい鰻の蒲焼きの匂いにすっかり魅せられてしまい、「一度でいいから、あのうなぎを食べてみたい」と親にねだる。だが金兵衛は、「あんな贅沢なもの、庶民の口に合うもんじゃねえ... 続きをみる
施設の送迎で、ご利用者さんを迎えに行った時のことである。玄関先に出てきた姿を見て、何となく様子がおかしい。顔色ではない。歩き方でもない。どこか空気が湿っている。そこで一緒に行った女性介護士に、そっと腰のあたりを見てもらった。すると案の定、衣服はびっしょり濡れていた。 このまま車に乗せるわけにはいか... 続きをみる
むかしむかし、ある山村に牛方(うしかた)という牛使いの男がおりました。ある日、山奥の町へ薪を売りに出かけ、夕方になって帰る途中、山道で日が暮れてしまいました。あたりは薄暗くなり、牛方は「この先には山んばが出るというが……」と少し不安になりながらも、牛を引いて急ぎました。... 続きをみる
なめとこ山は、深い谷や霧、冷たい沢に包まれた大きな山で、熊たちの気配がひっそりと満ちていた。その山で暮らす小十郎は、古い鉄砲を背にし、犬を連れて熊を撃って生計を立てる男である。荒々しい仕事をしていても、山の様子や熊の習性をよく知り、自然の中で黙々と生きていた。 小十郎の家は豊かではなく、熊の皮や胆... 続きをみる