語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

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『宮沢賢治・光と風の物語』 第十五回「水仙月の四日」第3話 吹雪に倒れる子ども/全4話

100えんメガネ

町から帰る子どもは、雪婆んごが起こした激しい吹雪の中を必死に歩いていた。風は顔を打ち、雪は道も足跡も覆い隠していく。子どもは荷物を抱え、家の方角を確かめようとするが、白い景色の中では何も見分けられない。遠くでは雪童子たちが、吹雪に巻かれる子どもの姿を心配そうに見守っていた。



吹雪はさらに強まり、子どもの足は雪に深く沈んだ。冷たさで手足の感覚が薄れ、何度も転びながら立ち上がろうとする。しかし、家まで帰りたいという思いとは反対に、体は次第に動かなくなっていった。雪婆んごは容赦なく風を吹きつけ、雪童子は命令に従いながらも、子どもを助ける方法を考え続けた。



ついに子どもは力尽き、雪原に倒れ込んだ。抱えていた荷物も手から離れ、降り積もる雪が体を少しずつ覆っていく。雪婆んごは吹雪を弱めようとしなかったが、雪童子は子どもの命が消えかけていることに気づいた。このまま命令に従うのか、それとも密かに救うのか、雪童子の心は激しく揺れた。



雪童子は、雪婆んごに気づかれないよう、子どもの周囲に柔らかな雪を集め、冷たい風が直接当たらないようにした。そして、子どもを見つける人が現れることを願い、目印となる木の枝を雪の上に残した。吹雪は続いていたが、子どもの命はまだ消えていない。雪童子の小さな優しさが、白い雪原にかすかな希望を残した。