語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

76.日本おとぎ噺 「牛方と山んば(うしかたとやまんば)」

100えんメガネ

むかしむかし、ある山村に牛方(うしかた)という牛使いの男がおりました。ある日、山奥の町へ薪を売りに出かけ、夕方になって帰る途中、山道で日が暮れてしまいました。あたりは薄暗くなり、牛方は「この先には山んばが出るというが……」と少し不安になりながらも、牛を引いて急ぎました。



しばらく進むと、後ろから誰かが牛を引くような音が聞こえてきました。「おかしいな……誰もいないはずだが」と振り返ると、そこには恐ろしい山んばの姿。山んばは、「その牛をわたしによこせ」と迫ってきます。牛方はとっさに、近くの大木に牛を縛り、自分は木の陰に隠れました。山んばは牛を見つけると、「ふん、これくらい朝飯前よ」と大木ごと引き抜こうとします。



ところが、その木は思った以上に太く、いくら山んばが引っぱってもびくともしません。何度も挑戦する山んば。牛方は木の陰から、わざとらしく「おい山んばよ、それが引けぬとは、お前もたいしたことないのう」と声をかけます。山んばはカッとなって、「なんだと、こうしてやる!」と全力で木を引き抜こうとしている間に、牛方はこっそり牛を連れて逃げ出しました。



朝日が差し始める頃、牛方は村に無事たどり着きました。「山んばに会ったが、うまくまいてやった」と語る彼に、村人たちは驚きながらも感心します。それからというもの、牛方は知恵者として評判になり、山に入る者は皆、山んばに用心するようになったといいます。