語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

33.『古典落語』「鰻屋(うなぎや)」

100えんメガネ

江戸の裏長屋に住む職人風の男、金兵衛。長屋暮らしの気風者であるが、頑固者でもある。ある日、ひとり息子の亀吉が、道すがら漂ってきた香ばしい鰻の蒲焼きの匂いにすっかり魅せられてしまい、「一度でいいから、あのうなぎを食べてみたい」と親にねだる。だが金兵衛は、「あんな贅沢なもの、庶民の口に合うもんじゃねえ」と一蹴。それでも亀吉の熱意に根負けし、しぶしぶ一文を渡す。

亀吉は嬉々として町の鰻屋へ向かい、念願の蒲焼きを一枚手に入れて帰ってくる。ところが金兵衛は「どうせ脂っこいだけの下等な魚だろう」と悪態をつきながら、ついつい一口味見。それが、驚くほど旨い! 香ばしさにとろけるような食感、ほのかな甘辛いタレ。思わず箸が止まらず、「これは…もう一枚!」と小遣いをかき集めて追加を頼み、ついには自分が夢中になって食べてしまう。

翌日からというもの、金兵衛はすっかり鰻の虜に。かつては「貧乏人の食うもんじゃねぇ」とか言っていたのが嘘のように、日々、理由をつけては鰻屋に通い出す。「うなぎは薬になる」「精がつく」と言い訳しつつ、小遣いを亀吉にせびっては蒲焼きを買い漁る。町の連中も「どうしたんだ、あの頑固親父が」と笑い話に。やがて、財布も底をつき始めたある日、金兵衛は意を決し、ついに鰻屋に弟子入りを申し出る。

「どうせ食い続けるなら、自分で焼けるようになりてぇ」と、すっかりその気になった金兵衛。鰻屋も笑いながら受け入れ、「好きこそものの上手なれ」と教え始める。こうして元頑固者は、すっかり職人見習いの顔となり、町の人気者に。最後は、焼きたての蒲焼きを亀吉に振る舞い、「こりゃあ、親父のが一番うめぇや」と笑顔で言われて満足げな表情を浮かべる。江戸の味と親子の情、落語らしい人情の一席である。