語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

34.『江戸小咄』「睾玉(きんたま)」

100えんメガネ

ある町の長屋に住む与太郎、ある日風呂屋の帰りに町角で侍に呼び止められる。侍は真顔でこう問う。「そち、“睾玉”とは何ぞや?」与太郎は面食らい、「えぇと…金玉(きんたま)で?」と即答。侍はそれを聞いて深くうなずき、「なるほど、それがしの解釈と同じであったか」と満足気。



侍の話によれば、最近、漢籍(中国の古書)を読んでいたところ「睾玉」という語が出てきて、その意味がどうにも分からず悩んでいたのだという。学者に聞いても曖昧な答えばかり。そこで、庶民の口にこそ真実ありと、町に出て町人に尋ねていたのだった。与太郎は「やっぱり、あっしは物知りでござんすな!」と得意顔。



ところが数日後、町中で「与太郎が侍に金玉の話をした」と噂が広まり、大笑いの的に。長屋の連中も腹を抱えて笑う。「まさか、あの真面目な侍に…」与太郎は訳が分からず、笑われていることにも気づかぬまま、「おら、えらいことを教えてやったんでぇ」と鼻高々。



やがてその侍も、町の者からからかわれるようになり、姿を見せなくなったという。だが長屋では、いまだに語り草。「学問もたいしたもんだが、与太の一言にゃ敵わねぇ」――江戸の町では、教養と下ネタが交わることすら、ひとつの“粋”だったのでござんす。