「私の与太話」「実り」
今年も春になると、きゅうり、トウモロコシ、ピーマン、ナス、ミニトマトを植えた。ぶどうも実をつけ、花の苗も並べた。秋には食卓が自家製野菜でいっぱいになるはずだった。私は毎朝、畑を眺めては、「今年は八百屋へ行く回数が減るぞ」と、まだ採れてもいない収穫を数えていた。

ところが夏になると、雨は少なく、朝に水をやっても昼には土が白く乾いた。きゅうりは元気をなくして諦め、ピーマンは実をつけず、ナスも数えるほど。花の苗まで次々と枯れていった。水道代を気にしながら水をまく私の横で、太陽だけが一日も休まず働いていた。

トウモロコシは何とか食べられたが、期待していたぶどうにはカナブンが集まり、私より先に味見を始めた。実がなる前に葉を遠慮なく食べていく。追い払ってもまた戻る。どうやらカナブンには、この畑が「無料食べ放題」に見えているらしい。

そんな畑で最後まで頑張ったのがミニトマトだった。数は少ないが、赤くなった実を五粒ずつ採り、私だけで大事に食べた。妻に勧めるほどの量もなく、毎朝五粒がせいぜいである。今年の家庭菜園は大赤字だったが、ミニトマトだけは私の口に入った。結局、育てた野菜より、育った水道代のほうが立派だった。

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