語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

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『宮沢賢治・光と風の物語』第十七回「貝の火」第3話 狐の誘惑とホモイの慢心/全4話

100えんメガネ

美しく輝く「貝の火」の評判は森じゅうに広まり、ついにずる賢い狐の耳にも届いた。狐はホモイの家を訪ね、宝を大げさに褒めたたえ、「あなたほど立派な方にこそふさわしい」と巧みにおだてた。父の戒めを忘れかけていたホモイは、狐の言葉に気をよくし、自分が森で最も偉くなったように感じ始める。



狐はホモイを森へ連れ出し、出会う動物たちに貝の火を見せて威張るよう勧めた。ホモイが宝を掲げると、動物たちは驚いて道を譲った。その様子を見たホモイは、皆が自分の力を恐れ、敬っているのだと思い込む。以前の素直で親切な心は薄れ、狐を従者のように扱いながら、得意そうに森を歩き回った。



狐にそそのかされたホモイは、弱い動物たちに命令し、思いどおりにならない相手には腹を立てるようになった。仲間たちの困った表情にも気づかず、貝の火を持つ自分は何をしても許されると思い始める。そのとき、まばゆかった宝の奥に黒い影が浮かび、光がかすかに濁った。しかし慢心したホモイは、その変化を狐にも自分にも認めようとしなかった。



家へ戻った父は、貝の火の曇りとホモイの乱暴な態度に気づき、狐から離れて心を改めるよう諭した。だがホモイは、「みんなが僕を尊敬している」と言い張り、父の言葉を聞こうとしなかった。狐も外から甘い声で呼びかける。ホモイが再び狐のもとへ向かうと、貝の火の輝きはさらに弱まり、破滅の兆しが静かに近づいていた。