語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

18.『古典落語』「お見立て(おみたて)」

100えんメガネ

江戸の色街・吉原通いに熱を上げていた若旦那・清三郎(きよさぶろう)。馴染みの花魁・花魁小糸(こいと)にぞっこんだったが、ある日ぱったりと会えなくなった。理由も告げられず、門前払いを食らうばかり。恋患いの若旦那は、日に日に痩せ細り、番頭やご隠居も心配顔。「このままじゃ病になりかねん」と頭を抱える。



見かねたご隠居は一計を案じ、「小糸に見立てた遊女」をあてがい、清三郎の未練を断たせようとする。事情を話すと、吉原の遣手婆(やりてばばあ)が快く引き受け、気立ての良い新米の女郎に声をかける。清三郎は半信半疑で再び吉原へ。灯篭の明かりが揺れるなか、用意された部屋に通される。



そこに現れたのは、小糸そっくり――いや、それ以上に艶やかで優しげな女。清三郎は驚きと戸惑いのなかで、「これは夢か幻か」と思いつつも心を奪われていく。「あなたのような方に会えて光栄です」と微笑む女に、清三郎の心は癒やされてゆく。そして彼はつぶやく。「小糸とは、もう逢わずとも良いかもしれぬ……」



やがて夜が更け、別れ際に女がポツリと呟く。「……ほんとうは、あたしが小糸なのさ」――なんと、見立てどころか“本物”の小糸だったのだ。気づかぬほどやつれていた清三郎に、直接は会えず心を痛めていた小糸が、名を伏せて再会を果たしたというわけ。涙ぐむ清三郎に、小糸はそっと手を重ねる。吉原の一室、そこに咲いたのは、粋と情の“見立て”の花であった――。