19.『江戸小咄』「田舎者(いなかもの)」①
ある日の夕暮れ、江戸の町にひとりの田舎者がやって来た。
浅草から上野を回り、物見遊山に心を躍らせながら、粋な町人たちの行き交う姿にいちいち感心していた。
「江戸はなんと華やかなことか」と、彼は目を丸くして歩き回る。

ふと目に入ったのは、店先で職人が器用に飴細工を作る光景。田舎者は感嘆の声をあげる。
続いて立ち寄ったのは、香具師(やし)の口上に人だかりができる見世物小屋。そこでも手を叩いて笑っていた。
町の人々の早口にも驚き、露天の品の多さにも目を輝かせる。

「そっちは通らねぇでくだせぇ」「ちょいと、どいておくんな」――早口な江戸弁にあたふたする田舎者。
「こちとら、せっかちなんでぇ!」と怒鳴られ、すっかりしょげてしまう。
やがて、立ち寄った茶店でも「いらっしゃい!」と大声で迎えられ、腰を抜かさんばかりに飛び上がる始末。

「そっちは通らねぇでくだせぇ」「ちょいと、どいておくんな」――早口な江戸弁にあたふたする田舎者。
「こちとら、せっかちなんでぇ!」と怒鳴られ、すっかりしょげてしまう。
やがて、立ち寄った茶店でも「いらっしゃい!」と大声で迎えられ、腰を抜かさんばかりに飛び上がる始末。

このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。