語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

39.『古典落語』「悋気の火の玉(りんきのひのたま)」

100えんメガネ

江戸の町の長屋に住む浪人、清三郎。無職の身だが、妻のしっかり者のお滝が支えて日々を過ごしていた。ところがある晩、清三郎が外で酒を飲んで帰ってくると、酔いどれ口調で「今夜は新しい女と…」と口走る。お滝は青筋立てて怒り心頭。嫉妬深い性格で知られ、「悋気(りんき)のお滝」とあだ名されるほど。口論の末、清三郎は「幽霊に会ったんだ」と苦しい言い訳をしてごまかすが、火に油。お滝は涙ながらに寝室を飛び出してしまう。



その夜更け、清三郎がふと目を覚ますと、座敷にぼんやりとした火の玉が浮かんでいる。しかもそれが女の顔に見え、「お前を許さぬ…」と囁く声まで。驚いた清三郎、寝具をかぶって震える。翌朝、町内で「火の玉を見た」と騒ぎ立てるが、誰も信じない。お滝も、「それ見たことか」と怒りをさらに募らせる。だがその夜もまた、火の玉は現れる。「許せぬ、浮気男…」と呪いのように繰り返され、清三郎はすっかり青ざめる。



とうとう清三郎、町の坊主を呼んでお祓いを頼むことに。ところが坊主が読経を始めると、火の玉はますます激しく燃え上がり、「坊主も一緒に許さぬ」と火花を散らす始末。怯えた坊主は逃げ帰り、清三郎は絶望のどん底。すがるようにお滝に謝ろうとするが、相手にされない。やむなく、町の古道具屋に頼み、火の玉除けの護符を山ほど買い込む。家中に貼り付けて、震えながら夜を迎える。



その夜、清三郎が恐る恐る眠りに入ると、またしても火の玉がふわり。「…もう懲りたかえ?」と聞こえる声。恐る恐る目を開けると、火の玉がスッと消え、代わりに現れたのは…お滝の姿! 実は一連の火の玉騒ぎ、お滝の仕組んだ芝居だったのだ。夜な夜な白粉を塗って提灯を持ち、恨めしい声を響かせたという。呆気にとられる清三郎、「女の嫉妬は本当に怖い…」とため息ひとつ。こうして、江戸女の執念と機知が輝いた一席は、夜の長屋にじんわりと笑いを残して幕を下ろす――。