50.日本おとぎ噺 「かもとりごんべい」
むかしむかし、山里に「ごんべえ」という働き者の若者がいました。ごんべえは貧しいながらも明るく、村人たちに好かれていました。ある日、ごんべえは「鴨をたくさん捕まえれば一攫千金」と考え、鴨捕りに出かけることにしました。竹で作った大きな籠を背負い、川辺へと向かいます。

ごんべえは川辺に餌をまいて、鴨たちが集まってくるのを待ちました。そして、鴨たちが籠に入った瞬間、「今だ!」と蓋を閉め、大量の鴨を捕獲することに成功します。「これでひと財産できたぞ!」と満足げに籠を背負い、村へ帰ろうとします。

ところが、籠の中の鴨たちが暴れ出し、一斉に飛び立とうとします。ごんべえは籠にしがみついたまま空中へ持ち上げられ、ついには空高く舞い上がってしまいました。空の上でごんべえは「ひえぇぇ!」と叫びつつ、鴨に運ばれ続けます。

ついに鴨たちは疲れて、ごんべえを山奥の森の中へと落としてしまいます。ごんべえは木の上に引っかかり、「命があっただけでもありがたい」と胸をなでおろします。その後、ごんべえはもう鴨捕りをやめ、まじめに畑仕事をして慎ましく暮らしたということです。

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