語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

21.『古典落語』「天狗裁き(てんぐさばき)

100えんメガネ

江戸は神田の長屋に住むある男。朝から不機嫌な様子で、何やら思案顔。女房が心配して尋ねても、「いや、なんでもねえ」とつれない返事。ところが、ふとした拍子にうっかり「夢を見てたんだ」と口を滑らせる。女房はそれを聞き逃さず、「どんな夢を見たのか、言っておくれよ」としつこく問い詰める。



男は頑として夢の中身を明かさない。それがかえって女房の疑念を深める。「女の夢でも見たんだろう」「浮気の夢か」などと決めつけ、口論に発展。近所の長屋仲間や大家までも巻き込んで、夢の内容が何だったのか、町じゅうの関心ごとに。男は「夢は夢、他人に話す義理はねえ!」と頑固に言い張るが、周囲の好奇心と疑いは収まらない。



ついには町役人まで登場し、事は役所沙汰に。男は頑固一徹、「夢の中身など言わぬ」と主張するが、あまりの騒ぎに奉行所へ引き出されてしまう。奉行も苦笑しながら、「夢ぐらい話せば済むことじゃ」と諭すも、男は意地になって拒否。どうにも埒があかぬと、ついには空を飛ぶという天狗のもとへと連れていかれることに。



山奥の天狗の裁きの場。天狗は威厳たっぷりに問う。「なぜ夢の内容を話さぬ?」男は言い訳を繰り返すも、天狗の怒りに触れ、ついに「わかった、話すよ!」と観念する。そして言った。「夢の中で…わしがこうして人に囲まれて“夢の話をしろ”とせっつかれていたんだ!」
――その瞬間、男ははっと目を覚ます。なんと、すべては本当に夢だったのである。布団の中、そばには女房の顔。「夢の中で夢の話をしろと言われる夢」を見ていたのだ。