語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

『宮沢賢治・光と風の物語』 第十五回「水仙月の四日」第3話 吹雪に倒れる子ども/全4話

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町から帰る子どもは、雪婆んごが起こした激しい吹雪の中を必死に歩いていた。風は顔を打ち、雪は道も足跡も覆い隠していく。子どもは荷物を抱え、家の方角を確かめようとするが、白い景色の中では何も見分けられない。遠くでは雪童子たちが、吹雪に巻かれる子どもの姿を心配そうに見守っていた。



吹雪はさらに強まり、子どもの足は雪に深く沈んだ。冷たさで手足の感覚が薄れ、何度も転びながら立ち上がろうとする。しかし、家まで帰りたいという思いとは反対に、体は次第に動かなくなっていった。雪婆んごは容赦なく風を吹きつけ、雪童子は命令に従いながらも、子どもを助ける方法を考え続けた。



ついに子どもは力尽き、雪原に倒れ込んだ。抱えていた荷物も手から離れ、降り積もる雪が体を少しずつ覆っていく。雪婆んごは吹雪を弱めようとしなかったが、雪童子は子どもの命が消えかけていることに気づいた。このまま命令に従うのか、それとも密かに救うのか、雪童子の心は激しく揺れた。



雪童子は、雪婆んごに気づかれないよう、子どもの周囲に柔らかな雪を集め、冷たい風が直接当たらないようにした。そして、子どもを見つける人が現れることを願い、目印となる木の枝を雪の上に残した。吹雪は続いていたが、子どもの命はまだ消えていない。雪童子の小さな優しさが、白い雪原にかすかな希望を残した。


35.『古典落語』「あくび指南(あくびしなん)」

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春の午後、陽気に誘われて江戸の若旦那がぶらりと出かける。道すがら、「あくびの指南所」という珍妙な看板を目にし、好奇心から中へ入る。出てきたのは歳の頃五十ばかりの渋い男。「あくびを教える?冗談じゃねぇ」と思いつつも、話のタネにと指南を受けてみることに。



指南役、「まずは自然に、心から眠くなるように」と語り始める。最初は胡散臭く思っていた若旦那も、語り口と雰囲気に呑まれ、だんだん本当に眠くなってくる。「では町人風から、武家風、奥方風のあくびへ」と段階を踏みつつ指南が続き、若旦那は「ふぁぁ~」と大あくび。指南役は「そう、それが“品のある”あくび」と、いかにも真面目に褒める。



そのうち、指南役自身もつられてあくびを連発。気がつけば二人とも、ごろりと横になり、昼下がりの縁側でうたた寝。通りを行く猫が日なたで毛づくろいし、遠くからは飴売りの声。江戸ののんびりとした空気に包まれて、二人のいびきが心地よく響く。



日も傾き、若旦那が目を覚ますとすでに夕暮れ。指南役も眠気まなこで、「究極のあくび指南とは、これじゃな」と笑う。若旦那は指南料を置いて、「いやはや、粋な習いごとでした」と一言残して帰ってゆく。くだらなさの中に粋が光る、江戸っ子の洒落と余裕が香る一席であった。


81.日本おとぎ噺 「河童のくれた妙薬(かっぱのくれたみょうやく)」

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むかし、ある村の近くに川があり、川辺には河童(かっぱ)が住んでいると噂されていた。村人たちは川を恐れ、近づこうとしなかったが、ある年の夏、貧しい百姓の男が魚を獲りに川に入ったところ、足を滑らせて深みにはまり、もがいているうちに何かに足を引っぱられた。気づくと、背後には本当に河童が現れていた。



男は驚いたが、河童の目はどこか人なつこく、男に「いたずらして悪かった。命を助けてもらった礼に、これをやる」と、小瓶に入った水薬を差し出した。河童は「この薬を傷口に塗れば、どんな傷もすぐ治る」と言い残し、川へ戻っていった。男は半信半疑ながらも、家で家畜のけがに薬を塗ってみると、本当にたちどころに治った。



男はこの妙薬の力を知ると、村人のけが人を次々と治し、評判を呼んだ。やがて町からも患者が訪れ、男は金持ちになっていった。しかし、欲が出た男は「もっと薬をくれ」と河童を呼び出し、しつこく迫る。困った河童は「これきりにしてくれ」と懇願したが、男は無理に捕まえようとした。すると、薬瓶が地面に落ちて割れ、中身がすべて消えてしまった。



それ以降、薬は二度と手に入らなかった。男は再び貧しくなり、村人たちにも見放されてしまう。男はぽつりと「河童の好意を大事にすべきだった」とつぶやき、川辺でひとりたたずんでいた。今もその川では、ときおり妙薬の香りが風に乗ってただようという──。


『宮沢賢治・光と風の物語』 第十五回「水仙月の四日」第2話 雪婆んごと雪童子たち/全4話

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雪雲の奥に住む雪婆んごは、水仙月の四日にふさわしい激しい吹雪を起こそうとしていた。雪童子たちを呼び集め、野原を通る者を雪で包み、道を分からなくするよう命じる。雪童子たちは風に乗り、白い野原へ飛び出した。



雪童子たちは雪の中を駆け回り、風をうならせ、粉雪を空高く巻き上げた。野原も道もたちまち白く消え、木々まで激しく揺れ始める。彼らにとって吹雪は楽しい遊びだったが、その先には町へ向かう子どもの姿があった。



雪婆んごは子どもを見つけると、さらに強く吹雪かせるよう命じた。雪童子たちは子どもの周囲を駆け巡り、帽子や外套に雪を打ちつける。しかし一人の雪童子は、寒さに耐えて歩く子どもを見て、次第に気の毒に思い始めた。



雪婆んごの恐ろしい声が響く中、雪童子は命令に従いながらも、子どもを救えないかと考えた。吹雪はますます激しくなり、子どもの足跡も消えていく。白い雪原では、冷酷な雪婆んごの力と、雪童子の小さな優しさが静かにぶつかり始めた。


35.『江戸小咄』「唐様(からよう)」

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ある町の若旦那、教養が自慢で、漢文や唐詩をすらすらと書くのが得意。長屋の者たちは「唐様の若旦那」とあだ名をつけて、感心半分、からかい半分で見ていた。
ある日、その若旦那が書道の披露として、立派な掛け軸を長屋に見せに来る。「天高く馬肥ゆる秋」など、見事な筆致に皆ため息――だが、意味は誰もよく分からない。



そこへ現れたのが、与太郎。漢字はおろか、ひらがなすら怪しいが、口は達者。「これ、なんて書いてあるんで?」と尋ねると、若旦那は得意気に講釈を始める。「これは中国の故事から取ったもので……」と長々語るが、与太郎はぽかんと聞いているだけ。



とうとう与太郎、腕を組んでうなずきながら一言。「なるほど、で、何が言いたいんで?」
若旦那は言葉に詰まる。「いや、その……風雅を楽しむというか……趣が……」と曖昧な説明に終始。
長屋の連中はくすくすと笑い、「唐様も、与太の一言にゃ敵わねぇ」と小声で囁き合う。



やがて若旦那は姿を見せなくなり、唐詩の掛け軸も話題にのぼらなくなった。
だが長屋では、今もなお与太郎の「何が言いたいんで?」が語り草。「教養も結構だが、肝心なことが伝わらねぇと、ただの飾りだねぇ」
――江戸の町には、学も粋も笑いの中に生きていたのでござんす。