語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

40.『江戸小咄』「雷(かみなり)」

100えんメガネ

ある蒸し暑い夏の日、与太郎が長屋の縁側で昼寝をしていた。空は次第に曇り始め、やがて遠くで雷鳴がとどろき始める。隣の婆さんが慌てて洗濯物を取り込む中、与太郎だけは「屁でもねぇや」と高鼾(たかいびき)。「雷が落ちたらどうするんだい!」と周囲が心配しても、与太郎はまったく動じない。



と、そのとき、天からどーんと一発、凄まじい雷鳴。驚いた町人たちは軒下へ飛び込み、猫も犬もどこかへ隠れる騒ぎ。だが、与太郎だけは相変わらず縁側に寝そべったまま。「雷だって、怖がられりゃいい気になるだけだ」と、粋がって笑う。そこへ、通りがかりのご隠居が「お前さん、雷様は怒らせちゃいけないよ。昔から“へそを取られる”ってぇ話もある」と諭す。



その晩――。与太郎はふと目を覚まし、腹のあたりが妙に涼しい。あわてて手を当ててみると、なんと布団の上に、小さな“へそ”のようなものがちょこんと置いてある。あたりを見回すと、障子の隙間から月明かりが差し込む中、窓の外に角と太鼓を持った雷様らしき影がにやりと笑って立っていた――。



翌朝、与太郎は青ざめた顔で「へそが取られた!」と長屋を駆け回る。みな腹を抱えて笑いながらも、「へそ取られたくらいで済んで良かったじゃないか」とからかう。ご隠居はにこやかに、「怖いものを笑って済ませる、それもまた江戸っ子の粋ってもんさ」と一言。雷様の悪戯と与太郎の見栄っ張りが、ひと晩の騒ぎを笑いに変えていったのでござんす。