語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

60.日本おとぎ噺 「天狗の羽うちわ(てんぐのはうちわ)」

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ある山奥の村に、ずる賢くて怠け者の男が住んでいた。男は働かずに楽して暮らしたいと願い、毎日ゴロゴロしては文句ばかり言っていた。そんなある日、山の奥へキノコを採りに入った男は、偶然天狗たちの集会に出くわしてしまう。男は木の陰に隠れてその様子をこっそりと見ていた。天狗たちは、羽うちわで自在に風を起こし、空を飛ぶ姿がとても楽しげだった。



男はそのうちわが欲しくなり、天狗たちが眠っている隙にそっと一枚の羽うちわを盗み出す。そのうちわで自分も空を飛べるようになると、男は大喜び。村に戻ると、空から現れては人々を驚かせ、無理やり物を奪ったり、村人をからかったりとやりたい放題を始める。「これは天狗様の力だ!」と豪語して、誰の言うことも聞かず、ますます傲慢になっていった。



天狗たちは、うちわを盗んだ者がいることに気づき、激怒する。そしてある晩、男のもとに突如として黒雲とともに現れ、「そのうちわは返してもらう」と迫る。男は慌てて逃げようとするが、空に逃げても天狗にはかなわない。天狗は男を追い詰め、奪ったうちわを取り返すと、そのまま男を大風に巻き上げて空の彼方へと吹き飛ばしてしまった。



村人たちは、それ以来男の姿を見ていない。風が強く吹く夜には、「あの男はまだ天狗に追われて空をさまよっているのかもしれない」と語り合うようになった。そして天狗のものに手を出すと、必ず天罰が下ると、村の教訓として長く語り継がれることとなった。


『宮沢賢治・光と風の物語』第三回「注文の多い料理店」

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二人の若い紳士は、狩猟のため案内人と猟犬を連れ、深い山へ入った。しかし獲物は見つからず、猟犬も倒れ、案内人ともはぐれてしまう。冷たい風が吹く森をさまよううち、二人は「西洋料理店 山猫軒」と書かれた立派な建物を発見した。腹をすかせた二人は大喜びし、無料で食事ができる店だと思って、重い扉を開けた。



店内には客も給仕もおらず、扉を進むたびに新しい注意書きが掲げられていた。「髪を整えてください」「靴の泥を落としてください」「金属類を外してください」と、奇妙な注文が続く。二人は高級店の作法だと都合よく考え、帽子や上着、銃まで外した。さらに顔や手足へクリームを塗り、香水のような酢まで体へ振りかけた。



最後の扉には、「体へ塩をよくもみ込んでください」と書かれていた。そこで二人は、ようやく自分たちが料理を食べる客ではなく、山猫たちに食べられる料理なのだと気づいた。扉の向こうからは、舌なめずりをする声や、早く入れと急かす声が聞こえる。逃げ道はなく、二人は恐ろしさに震え、顔をくしゃくしゃにして泣き出した。



その時、死んだと思っていた二匹の猟犬が勢いよく飛び込み、奥の扉へ向かって激しく吠えた。山猫たちは逃げ去り、料理店も霧の中へ消えてしまう。二人は案内人に助けられ、無事に町へ帰った。しかし恐怖でしわくちゃになった二人の顔は、どれほど湯に入り、薬をつけても、二度と元には戻らなかった。


26.『江戸小咄』「恋病(こいやみ)」

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長屋に住む与太郎(よたろう)が、ある日、しょんぼりと寝込んでしまった。
熱もなければ、咳も出ず、飯も喉を通らない。ただ天井を見つめてため息ばかりついている。
「どうしちまったんだい、風邪かね?」と心配する熊さんや八っつぁんに、与太郎はぽつりと答える。
「いや…なんだか胸がこう、きゅうっとするんで…」



よくよく話を聞いてみると、どうやら近所の団子屋の看板娘「お糸(いと)」に惚れたらしい。
いつも元気に団子を売る笑顔が頭から離れず、姿が見えないと気が塞ぐ。
「こりゃ“恋わずらい”ってやつだな」と八っつぁんがニヤリと笑うと、熊さんも「若いねぇ」とうなずいた。
「だがな、与太。江戸っ子たるもの、惚れた腫れたで寝込んじまうのは粋じゃねぇ」と気合を入れた。



翌朝、仲間たちが一計を案じ、与太郎を無理やり団子屋に連れていく。
すると、ちょうど裏口で団子の仕込みをしていたお糸とばったり出くわす。
驚いたお糸が「どうしたの、具合が悪いって聞いたけど」と声をかけると、与太郎は顔を真っ赤にしながら
「……団子、三本ください」と言ってしまう。
仲間たちは大笑い。「ちげぇだろ、言うなら『好きだ』って言え!」とどやされる。



お糸はくすりと笑って「三本ね、恋煩いの薬になるかしら」と団子を手渡す。
与太郎は黙って受け取り、一口かじってふわっと笑った。
「……うまいな」
それからというもの、与太郎は毎日団子屋に通うようになり、やがてふたりは気の合う仲に。
――江戸の町では、熱よりも団子よりも、恋の力が一番効く薬だったのでござんす。


59.日本おとぎ噺 「金太郎」

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むかしむかし、足柄山のふもとに、たくましい赤い腹掛けをした男の子・金太郎が、お母さんと二人きりで暮らしておりました。父を早くに亡くし、母の手で育てられた金太郎は、山の動物たちと友だちになり、日々、相撲や綱引き、丸太割りなどで力くらべをして遊んでおりました。



ある日、大雨で大きな木が川に倒れ、橋が流されてしまいました。動物たちは困り果てていましたが、金太郎は大きな丸太を持ち上げ、川にかけて即席の橋をつくります。動物たちは大喜びで、その橋を渡りながら金太郎をたたえます。その腕力と優しさに、山の神様も驚いたという話です。



ある日、山道を通りかかった立派な武士・**源頼光(みなもとのらいこう)**が、金太郎の噂を聞きつけ、力くらべを試みます。金太郎は軽々と大きな岩を持ち上げ、その力に頼光は感服。頼光は「都へ出て、わしの家来として大いに活躍してみぬか」と声をかけました。金太郎は母と相談のうえ、「人のために力を役立てたい」と決意し、旅立つことに。



都にのぼった金太郎は、成長して「坂田金時(さかたのきんとき)」と名乗り、頼光四天王のひとりとして都を守る立派な武士になりました。鬼退治や人助けでその名は広まり、かつての山の子が、都の英雄となったのです。山での暮らしで育んだ優しさと力は、都でも多くの人々に喜ばれました。


『宮沢賢治・光と風の物語』第二回「銀河鉄道の夜」

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貧しい家で病気の母を支えながら、活版所で働く少年ジョバンニは、学校でも孤独を感じていた。星祭りの夜、友人たちが川へ行くなか、彼は一人で町外れの丘へ登る。草の上に身を横たえ、天の川を見上げていると、風が吹き、空からまばゆい光が降り注いだ。気がつけば、ジョバンニは星空を走る列車の中にいた。向かいの席には、親友カムパネルラが静かに座っていた。



列車は天の川に沿って進み、白鳥の停車場、光る十字架、鳥を捕る人のいる野原など、不思議な場所を通っていく。ジョバンニとカムパネルラは、乗り合わせた少女や弟、その世話をする青年とも親しくなる。窓の外には青白い星々が流れ、透明な風が車内を抜けていった。乗客たちは、それぞれの故郷や幸福について語り、ジョバンニは、本当の幸せとは何かを初めて深く考える。



列車が南十字星へ近づくと、少女たちは祈りながら途中の駅で降りていった。車内にはジョバンニとカムパネルラだけが残る。ジョバンニは、どこまでも二人で行こうと約束するが、カムパネルラは遠くの光を見つめ、誰かを助けるためなら自分の命を差し出してもよいと語る。やがて大きな闇が列車を包み、ジョバンニが隣を見ると、カムパネルラの姿は消えていた。



ジョバンニが丘で目を覚ますと、町では川に落ちた子どもの捜索が行われていた。カムパネルラは友人を助けるため川へ入り、そのまま戻らなかったという。銀河鉄道の旅が夢ではなかったと悟ったジョバンニは、悲しみを胸に抱きながらも、誰かの幸せのために生きようと決意する。東の空には朝の光が差し、夜の風は静かに町を通り過ぎていった。