語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

3.『江戸小咄』「牛と馬」

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ある日、浅草の縁日帰りの道すがら、町人の熊五郎と八公が、厩(うまや)の前を通りかかる。そこには、一頭の牛と、一頭の馬が並んでつながれていた。牛はおっとりとした目で黙って草をはみ、馬はそわそわと足を動かし、鼻息荒く辺りを見渡している。

熊五郎がふと、「おい八、牛と馬、どっちが賢いと思う?」と聞く。八公は少し考えて、「そりゃあ馬だろ。足は速えし、将軍様だって馬に乗るしな」と答える。すると熊五郎、にやりと笑って言う。「でもよ、牛は役人を乗せたことなんざ、一度もねぇぞ」と。

そこへ、近くのご隠居が通りがかり、「何を馬鹿なことを言っておる」と口を挟む。「そもそも、牛と馬とでは使い道が違う。馬は急ぎの用に、牛は根気の仕事に向いておる。どちらが偉いという話ではなかろう」と説教を始めた。

熊五郎、涼しい顔で答える。「へぇ、ご隠居のおっしゃる通りで。けどね、牛がえらいのは、役人に乗られねえ分、気楽ってもんですぜ」と言ったところで、隣の八公が、「それを言やぁ、俺たちゃ馬以下か!」と叫び、三人でどっと笑う。
夕暮れの道に、江戸の笑いが軽やかに響いた――。

5.『日本おとぎ噺』 「さるかに合戦」

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昔、働き者のカニが道でおにぎりを見つけました。そこへずる賢いサルがやってきて、「柿の種をあげるから交換しよう」と言います。カニは迷った末に交換を承諾。家に帰って種をまくと、やがて芽が出て大きな柿の木に育ちました。

秋になり柿の実がたくさん実りました。木に登れないカニはサルに収穫を頼みます。サルは木に登り、熟した柿を食べるばかりで、硬い柿や皮を投げつけてカニを傷つけてしまいます。ついにカニは重傷を負ってしまいます。

傷を負ったカニはやがて死に、その子どもたちは母の仇を討つ決意をします。臼(うす)、栗、蜂、牛のふん(糞)などが仲間となり、サルの家へ乗り込む作戦を立てます。皆の知恵と工夫が合わさり、仕返しの準備は整いました。

サルが帰宅し囲炉裏にあたると、熱い栗が弾けてやけどを負い、蜂が襲い、臼が上から落ちてきます。最後に滑って転び、牛の糞に顔を突っ込む羽目に。サルはこらしめられ、以後悪事をやめ、子ガニたちは母の仇を果たして満足するのでした。

2. 『古典落語』「時そば(ときそば)」

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ある冬の夜更け、江戸の町。男が屋台の蕎麦屋に近づき、「そば、ひとつくんな」と声をかける。寒さもあってか、屋台の湯気がありがたく感じられる。蕎麦屋は「へい、いらっしゃい」と応じ、男にそばを出す。男は器用にすすりながら、実にうまそうに食べる。周囲の人間も思わず見とれるほどの食べっぷりだ。

そばを食べ終えた男は、代金を払おうと銭を数え始める。「一文、二文……六文、七文、今何時(なんどき)だい?」「へえ、八つで」と蕎麦屋が答えると、男は「九文、十文」と言って銭を渡し、さっさと立ち去る。残された蕎麦屋は一瞬きょとんとするが、後で気づく。「あっ、あの客、今何時か聞いてる間に、数をごまかして十文のうち一文、抜かしやがった!」

その様子をこっそり見ていたもう一人の男。「これは使える手だ!」と感心し、翌晩、同じように屋台の蕎麦屋へ出向く。蕎麦を注文し、いざ代金を払う段になり、さっそくまねをして銭を数える。「一文、二文……五文、六文、今何時だい?」「へい、四つで」「……五文、六文、七文、八文、九文、十文」と払って満足気に立ち去る。

だが、そば代は十文だった。つまりまねしたつもりが、二文も余計に払ってしまったのだ。知らぬが仏のまぬけな男。その勘違いぶりが、観客の笑いを誘って噺は終わる。

4.『日本おとぎ噺』 「舌切り雀」

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むかしむかし、心やさしいおじいさんと、意地悪なおばあさんが住んでおりました。
ある日、おじいさんはけがをした小さな雀を見つけ、家へ連れて帰って手当てをしました。雀は日に日に元気になり、ちゅんちゅんと懐いて、まるで家族のようになっていきました。

ところがある日、おじいさんが留守の間に、雀が干してあったノリを食べてしまいました。
それを見たおばあさんは怒って、なんと雀の舌を切ってしまいます。
雀は驚き、泣きながら飛び去ってしまいました。
帰ってきたおじいさんは雀がいなくなったと知り、悲しみに暮れ、雀の宿を探しに山へ入っていきます。

やがておじいさんは、竹林の奥で「雀のお宿」にたどりつきました。
雀たちはおじいさんを喜んで迎え入れ、昔の雀も元気な姿で現れました。
宴が開かれ、楽しいひとときを過ごしたあと、雀は「お土産にどうぞ」と、大小ふたつの葛籠(つづら)を差し出します。
おじいさんは「小さい方で十分」と小さな葛籠を選び、家に持ち帰りました。中には金銀や反物がぎっしり。おばあさんはそれを見て欲に目がくらみます。

次の日、おばあさんは自分も大きな葛籠をもらおうと雀の宿へ行きます。
厚かましく振る舞った末、無理に大きな葛籠を背負って帰る途中、待ちきれず道で開けてしまいます。
すると中からは妖怪や化け物が飛び出してきて、おばあさんは腰を抜かして転げ落ちてしまいました。
その後どうなったかは誰も知りません。
「欲張りは身を滅ぼす」、そんな教訓を残して、話はおしまい。

2. 『江戸小咄』「桃太郎」

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ある町内に、子ども好きで評判の長屋の爺(じい)さんがいた。名は八兵衛。日がな一日、近所の子らに昔話を聞かせるのが日課で、とりわけ「桃太郎」の話は大人気。鬼ヶ島へ行くくだりでは、子どもたちも刀を振るまねをして大騒ぎ。「よっ、桃太郎!」なんて声も飛ぶ。八兵衛は得意げに話を続けるが、その内容は少々変わっていて――。

「桃から生まれた桃太郎、犬・猿・雉をお供に、鬼ヶ島へ渡るってぇと……」と始まるものの、肝心の鬼退治では、「鬼と談判して酒盛りになった」「宝を譲ってもらって和解した」など、肝心の立ち回りがない。子どもらは不満げに「もっと戦ってよ」とせがむが、八兵衛は「いやいや、争いごとはいけねえ」と笑って取り合わない。

ある日、若旦那が様子を見に来て、「八さん、その桃太郎、ちと軟弱じゃねえか?」と口を挟む。「昔話ってのはもっと痛快にいかねえと」と言われ、八兵衛はしばし考え込む。そして翌日、「さてさて、今日は特別篇だ」と始めた話は、桃太郎が江戸で豆腐屋を開業し、鬼ヶ島に店を出す話。鬼と商売繁盛し、豆腐が飛ぶように売れたという結末に、子どもらもぽかんとする。

最後に八兵衛、にこりと笑ってこう締めくくる。「鬼だって腹は減る。豆腐くらい喰わしてやんな」。隣の婆さんが「八さん、それじゃ鬼退治じゃなくて鬼接待だよ」と突っ込み、みな大笑い。江戸の夕暮れ、笑い声が長屋にこだまする――そんな、平和で人情味あふれる小咄であった。