59.日本おとぎ噺 「金太郎」
むかしむかし、足柄山のふもとに、たくましい赤い腹掛けをした男の子・金太郎が、お母さんと二人きりで暮らしておりました。父を早くに亡くし、母の手で育てられた金太郎は、山の動物たちと友だちになり、日々、相撲や綱引き、丸太割りなどで力くらべをして遊んでおりました。

ある日、大雨で大きな木が川に倒れ、橋が流されてしまいました。動物たちは困り果てていましたが、金太郎は大きな丸太を持ち上げ、川にかけて即席の橋をつくります。動物たちは大喜びで、その橋を渡りながら金太郎をたたえます。その腕力と優しさに、山の神様も驚いたという話です。

ある日、山道を通りかかった立派な武士・**源頼光(みなもとのらいこう)**が、金太郎の噂を聞きつけ、力くらべを試みます。金太郎は軽々と大きな岩を持ち上げ、その力に頼光は感服。頼光は「都へ出て、わしの家来として大いに活躍してみぬか」と声をかけました。金太郎は母と相談のうえ、「人のために力を役立てたい」と決意し、旅立つことに。

都にのぼった金太郎は、成長して「坂田金時(さかたのきんとき)」と名乗り、頼光四天王のひとりとして都を守る立派な武士になりました。鬼退治や人助けでその名は広まり、かつての山の子が、都の英雄となったのです。山での暮らしで育んだ優しさと力は、都でも多くの人々に喜ばれました。

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