語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

『宮沢賢治・光と風の物語』第十八回「ひかりの素足」第3話 力尽きる兄弟/6話

100えんメガネ

吹雪はさらに激しくなり、一郎と楢夫は進む方角を見失った。雪は膝まで積もり、冷たい風が容赦なく二人の体を打つ。一郎は弟の手を握り、「もう少しだ」と励ましながら歩き続けた。



やがて楢夫は疲れ果て、「もう歩けない」と雪の上へ座り込んだ。一郎は弟を背負おうとしたが、自分の足にも力が残っていなかった。二人の着物や髪には雪が凍りついていた。



一郎は動けなくなった楢夫のそばへ座り込み、弟の肩を抱いて吹雪からかばった。自分の外套を楢夫へかけ、何度も立ち上がろうとしたが、深い雪に足を取られ、ついに進むことができなくなった。二人は助けを呼びながら、わずかな明かりを求めて雪煙の向こうを見つめた。



二人は身を寄せ合ったまま、次第に動けなくなった。一郎は眠りそうになる楢夫へ何度も声をかけたが、その声も弱くなっていく。厳しい雪山の夜が、兄弟を静かに包み始めた。