語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

94.日本おとぎ噺 「猫檀家(ねこだんか)」

100えんメガネ

ある山里の古寺に、優しい和尚が一人で住んでいた。寺は古びており、檀家も少なく、貧しい暮らしだったが、和尚は毎朝きちんと読経を欠かさなかった。そんなある日、ふらりと一匹の黒猫が寺に現れた。痩せてはいたが、どこか人懐こい様子。和尚は猫に餌をやり、「よく来たのう、檀家になってくれるのか」と笑って声をかけた。



猫はそれから毎日のようにやって来て、読経が始まるときちんと座り、終わるまでじっとしていた。和尚は「まるで人間の檀家のようだ」と感心し、「猫檀家」と呼ぶようになった。不思議なことに、猫が現れるようになってから、寺には少しずつ人の出入りが増え、米や野菜などの供物も増えていった。和尚は「この猫が福を招いてくれているのかもしれん」と感謝した。



ある雪の日、猫檀家は姿を見せなかった。不安に思った和尚が村へ下ると、村はずれの岩陰で冷たくなった黒猫を見つけた。和尚はそっと猫を抱きかかえ、「よく通ってくれたのう、ありがとな」と涙ぐんだ。そして丁寧に寺の裏に墓を建て、朝夕に手を合わせるようになった。村人たちも猫の話を聞き、寺を訪れる人がますます増えていった。



それからというもの、寺は「福招きの猫檀家」で知られるようになった。和尚は変わらず読経を続け、猫の墓前にも手を合わせる。村人たちはこの話を語り継ぎ、猫の像を作って寺に奉納した。やがてこの寺は「猫を大切にする寺」として栄え、人々の心のよりどころとなったという。