100.日本おとぎ噺 「オオカミと娘(おおかみとむすめ)」
むかし、雪深い山あいの村に、美しい娘と母が住んでいました。冬のある日、母が病に伏せ、薬草を取りに娘が山へ向かいます。山道は吹雪に覆われ、木々も真白。娘は必死に雪を踏みしめ進みますが、その背後から灰色のオオカミが静かに姿を現しました。

娘はオオカミに気づかず山奥へ進みます。しばらくして振り返ると、距離を詰めたオオカミが雪道に足跡を残しながらついてきていました。恐ろしくなった娘は急ぎ足で山小屋へ逃げ込みます。戸を閉めると、外ではオオカミが低く唸りながらうろつきます。娘は震えながら薬草を探し、早く村へ戻ろうとします。

娘は帰り道を急ぎますが、吹雪の音に混じり、再び後ろからオオカミの足音が聞こえます。雪道で足を取られ転びそうになった瞬間、オオカミが間近に迫りました。しかし、オオカミは襲わず、娘の足元に落ちた薬草の匂いを嗅ぎ、静かに後ずさりします。娘は驚きつつも命拾いし、村まで必死に走ります。

村に戻った娘は、母に薬草を渡し無事を喜び合います。やがて母は回復し、娘は雪山での出来事を村人に話します。村人たちは「山のオオカミも神仏に守られたのだろう」と感心しま
す。以来、娘は雪山に感謝し、オオカミに祈りを捧げるようになりました。

うになりました。
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