「私の与太話」「農政」
最近、米の値段が少し下がってきた。買う側としてはありがたい。「やっと米も落ち着いてきたか」と喜びたいところだが、農家のことを考えると単純には喜べない。肥料も燃料も農機具も高い。米だけ安くなって、本当に農業は続けられるのだろうか。どうも米の政策そのものに、どこか無理があるような気がしてきた。

聞けば、大規模な生産法人では機械を効率よく使い、広い田んぼをまとめて耕すことで、米価が多少安くても利益を出せるところがあるという。一方、小さな田んぼを守る個人農家は、機械代や資材費を引けば赤字になることも珍しくないらしい。同じ一俵の米でも、作る人によって事情がまるで違う。これでは値段だけを見ていても答えは出ない。

こで政治の出番である。「米を高くすればいい」「安くすれば消費者が助かる」だけでは済まない。誰が、どこで、どれだけ作り、農地をどう守るのか。大規模化する地域と、小さな農家を残す地域を分けて考える必要もあるだろう。次の農水大臣には、目先の米価だけでなく、十年先にも田んぼに稲が実る政策を示してもらいたい。

私は妻に、「農政は値段だけじゃない。生産者も消費者も続けられる仕組みが大事だ」と少し偉そうに語った。すると妻は米びつを開けて、「難しい政策はいいから、なくなる前にお米を買ってきて」と一言。なるほど、国の米政策は農水大臣に任せるとして、わが家の食料安全保障は私の担当らしい。――まず必要なのは、新しい農政より今日の五キロだった。

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