語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

97.日本おとぎ噺 「琵琶法師と竜(びわほうしとりゅう)」

100えんメガネ

昔、ある山奥の古びたお堂に、一人の琵琶法師(びわほうし)がやってきました。法師は旅の途中であり、日が暮れる前に雨宿りができる場所を探していたのです。そのお堂は静かで、長らく人が訪れていない様子でしたが、法師はここを今夜の宿と決め、琵琶を抱えて中へ入りました。



夜になると、法師は堂の中央に座り、念仏を唱えながら琵琶を弾き始めました。柔らかくも力強い音色が、木の壁に反響し、外の山にもこだまします。すると、その音に応じるように、堂の奥から不思議な気配が立ち上り、空気がぴんと張りつめました。



やがて、お堂の隅に巨大な影が現れました。それは竜の姿をした霊体で、うねる胴体に鋭い目、口からは微かな光が漏れています。竜は怒るでもなく、法師の前にぬっと現れて動きを止めました。だが法師はまったく恐れず、むしろさらに心を込めて琵琶を奏で続けたのです。竜はその音にじっと耳を傾け、やがて目を細めてうっとりとした表情になりました。



夜が明けるころ、竜は一礼するかのように首を垂れ、音もなく姿を消しました。法師は琵琶を収め、空を仰ぎながら微笑みました。それからというもの、この山には不思議と災いが起こらなくなったといいます。人々は、あの法師の琵琶の音が、山の精霊さえも癒したのだと語り継ぎました。