『宮沢賢治・光と風の物語』第十六回「祭の晩」第3話 亮二の親切と祖父の教え/全4話
家へ帰った亮二は、祭りの茶屋で団子代を払えず責められていた大男を助け、代わりにお金を置いたことを祖父に話した。さらに男が、薪百把と栗八斗を返すと叫び、山へ逃げていったことも伝えた。

祖父は、困っている人を見過ごさず、自分のお金を差し出した亮二の行いを褒めた。相手が町の人でも山男でも、苦しんでいる者を助ける心に違いはないという。亮二は祖父の言葉を聞き、胸が温かくなった。

しかし祖父は、団子代のお礼に薪百把と栗八斗では多すぎると顔を曇らせた。親切は大きな見返りを求めてするものではなく、相手を困らせるほどのお礼を受け取るべきでもないと諭した。亮二も真剣な顔で聞いた。

亮二は、山男が本当に品物を持ってきても、必要以上には受け取らず、気持ちだけをありがたく受けようと思った。祖父は満足そうにうなずいた。夜が更けると、山から吹く風が家の戸を鳴らし、亮二は山男の姿を思い浮かべた。

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