語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

1.『古典落語』「寝床(ねどこ)」

100えんメガネ

旦那衆の中でも、義太夫好きで知られる呉服屋の旦那。ある日、番頭や手代たちを座敷に呼びつけ、「今晩は義太夫を一席聴かせる」と高らかに宣言する。商売の話かと思いきや、義太夫の披露。だが、使用人たちは気が重い。なにせ旦那の義太夫は、音程は外れ、節回しも乱れ、耳にするのが苦痛なほど。「またあの『寝床』か……」と顔を曇らせる者もいる。だが、旦那の機嫌を損ねれば商売に響く。誰も断れず、しぶしぶその場に残る。

夜も更け、座敷に設えられた小舞台。三味線を抱えた旦那が悠々と現れ、調子をとって義太夫を始める。座敷には重々しい空気が漂う。汗をぬぐいながら、無理やり笑顔を浮かべる番頭。まぶたを閉じて舟を漕ぐ手代。外に逃げ出したいのをぐっとこらえ、皆で「いいお声でございますなあ」とお世辞を言うのがやっと。しかし旦那は満足げで、「来週もまた一席やるぞ」とにこにこしている。

何日か後、旦那はまたも義太夫会を開こうとするが、番頭は「荷の仕入れがございます」と言い、手代たちも皆、言い訳して姿をくらます。業を煮やした旦那は怒鳴る。「わしの義太夫がそんなに下手か!ああ下手さ。だがな、わしはな、好きでやってるんだ!」と怒りを爆発させる。だが、ふと冷静になり、「やっぱり無理強いはいけないな…」と反省する。「これからは無理に聴かせるようなことはせん」と、義太夫会の中止を告げるのだった。

その後、店の者たちは安堵し、旦那もあっさり引き下がった様子に内心ほっとする。だが数日後、再び座敷に呼ばれた一同の前に、旦那が登場。「今晩は誰にも強制はしない。ただ――わしは唸る」と言い放ち、またしても三味線を取り出す。使用人たちは「また始まったか……」と苦笑いしつつも、どこか江戸の人情味を感じさせる場面に、思わずくすりと笑ってしまう。下手でも、好きなことを貫く旦那の姿が、妙にいとおしい。