『宮沢賢治・光と風の物語』 第十三回「グスコーブドリの伝記」第5話 火山局での活躍/全6話
クーボー大博士の紹介で火山局を訪れたブドリは、局長のペンネン老技師に迎えられた。火山局では、各地の火山を観測し、噴火や地震から町や農地を守る仕事をしていた。ブドリは学校で学んだ知識を役立てたいと願い、観測機械の扱いや地質の調査方法を熱心に覚え始めた。

ブドリは技師たちと飛行船に乗り、火山の上空や山腹を調査した。高温の噴煙や激しく揺れる大地を恐れながらも、観測器を確認し、岩石やガスの状態を記録していく。火山の動きを正しく理解すれば、多くの人を災害から救えると知り、ブドリは困難な仕事にも進んで取り組んだ。

ある年、寒さのために農作物が育たない恐れが高まった。火山局では、火山を人工的に噴火させ、噴き出したガスで大気の流れを変える計画が立てられた。ブドリたちは危険を承知で火山へ向かい、綿密な計算と観測を重ねて作業を実行した。計画は成功し、気候は少しずつ暖かくなった。

火山局での働きを通じ、ブドリは自分の知識が人々の命や暮らしを守る力になることを実感した。森を追われ、工場や農場を渡り歩いた苦労も、今の仕事につながっていたのである。ブドリはペンネン技師たちから信頼される立派な技師となり、各地の火山と農作物を守るため働き続けた。

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