65.日本おとぎ噺 「七夕さま(たなばたさま)」
むかしむかし、天の神さまには、機織りが得意な美しい娘「織姫(おりひめ)」がいました。織姫は毎日、雲のようにふわりとした着物を織っては、天の神さまに仕えていました。娘の働きぶりを喜んだ神さまは、ある日、まじめで牛の世話に励む若者「彦星(ひこぼし)」を婿に迎えさせました。

織姫と彦星は結ばれると、うれしさのあまり日々の仕事を忘れ、二人で遊んでばかり。天の布は織られず、牛もやせ細ってしまいました。怒った天の神さまは、ふたりを天の川の両岸に引き離し、「心を入れかえたなら、年に一度だけ会わせてやろう」と言い渡しました。

それからというもの、ふたりは心を入れかえ、それぞれの仕事にまじめに励みました。そして、七月七日の夜。天の川には無数のカササギが羽ばたき、ふたりのために橋をかけてくれました。織姫と彦星は久しぶりに橋の上で再会し、喜びに涙しました。

この再会を祝って、地上の人々も星に願いをかけるようになりました。笹に願いを書いた短冊を吊るし、星空を見上げて願う人々の心は、空の二人のように清らかです。こうして七月七日は「七夕(たなばた)」として今に伝えられているのです。

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