語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

『宮沢賢治・光と風の物語』第一回「風の又三郎」

100えんメガネ

九月一日、谷川沿いの小さな学校へ、高田三郎という赤い髪の少年が転校してきた。見慣れぬ洋服を着て、どこか町の子らしい三郎を、生徒たちは遠巻きに眺める。その日、外では激しい風が吹いていた。嘉助たちは、三郎こそ風の神の子「又三郎」ではないかとささやき始める。



三郎は村の子どもたちと野原を走り、谷川で遊び、放牧場へも出かけた。都会風の言葉を使いながらも、乱暴に威張ることはない。けれど、三郎が怒ったり駆け出したりすると、不思議な風が巻き起こるように思われた。子どもたちは親しくなりながらも、三郎への疑いを捨てきれなかった。



ある日、嘉助は牧場で道に迷い、激しい風雨に巻き込まれた。薄暗い空の下で、三郎が馬に乗って現れたように見え、嘉助は恐怖のあまり気を失う。助けられて学校へ戻ったあとも、あれが本当に三郎だったのか、風の又三郎だったのか分からない。子どもたちの疑いは、ますます深まった。



九月十二日の朝、学校へ行くと三郎の姿がなかった。父親の仕事の都合で、急に別の土地へ移ったという。子どもたちは、空の席を見つめながら、三郎はやはり風の又三郎だったのだと思う。校庭には強い風が吹き抜けていた。三郎は去ったが、風だけは何も答えず、村の山々を駆けていった。