語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

『宮沢賢治・光と風の物語』第二十回「鹿踊りのはじまり」第1話 嘉十、鹿踊りの野原へ/4話

100えんメガネ

朝、嘉十は用事をすませるため、山あいの道を一人で出かけた。空は高く晴れ、風はやわらかく、野や畑は静かに光っていた。嘉十は見なれた里の景色をあとにし、のんびりと山のほうへ歩いていく。



やがて嘉十は、草の青々と広がる気持ちのよい野原へ出た。あたりには木立がまばらに立ち、風が吹くたび草の波がゆれる。嘉十はその美しさに心をひかれ、しばらく足を止めて景色を眺め、ひと休みすることにした。



嘉十は野原の草の上に腰を下ろし、持ってきた手ぬぐいをそばへ置いた。空の明るさや草の匂いに包まれているうち、気持ちはすっかりほどけ、山の中の静けさをゆっくり味わった。やがて立ち上がり、また道を進みはじめる。



少し歩いてから、嘉十はふと手ぬぐいを野原に置き忘れたことに気づいた。しまったと思って振り返ると、さっきの草原が日ざしの中に静かに広がっている。嘉十は急いで来た道を戻り、忘れ物を取りに野原へ引き返した。