語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

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『宮沢賢治・光と風の物語』第十九回「北守将軍と三人兄弟の医者」第6話 北守将軍、仙人となる/6話

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三兄弟と北守将軍ソンバーユーは、黒い粉の出どころを求めて北方へ向かった。山奥の水源では、崩れた岩山から黒い土が流れ出し、川や草地を汚していた。リンパーは人の病、リンプーは軍馬の不調、リンポーは草木の衰えが、すべて同じ原因から起きたと突き止めた。



将軍と兵士たちは岩や土砂を取り除き、三兄弟は水を清め、弱った動物や草木を手当てした。やがて清らかな水が再び流れ、山野には緑が戻り始めた。病の原因を力だけで退けるのではなく、人・獣・草木を一つの命として守ることの大切さを、将軍は深く悟った。



都へ戻った将軍は、王から褒美と高い地位を与えられようとした。しかし将軍は、「戦に勝つことより、命を守る道を学びたい」と申し出た。そして鎧と剣を王へ返し、三兄弟に別れを告げると、一人で北の山へ入り、清らかな水源を守りながら修行する道を選んだ。



年月が過ぎ、北の山では、白い衣をまとった将軍が動物や草木に囲まれて暮らしているという噂が広まった。人々は、彼を山の仙人と呼んだ。三兄弟も都でそれぞれの診療を続け、人・獣・草木の命は互いにつながっているという教えを伝えた。北の山には今日も澄んだ水が流れている。