語り継ぐこころ/日本おとぎ噺・江戸小咄・古典落語・笑いの匠たち

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たちのダイジェスト版と挿絵です。たまに、私の与太話が入ります。 文も挿絵もChatGPTが作っています。   よかったら ★nice! をポチット押してね。

45.『古典落語』「居残り佐平次(いのこりさへいじ)」

100えんメガネ

吉原の遊郭、春の宵。賑わう花街に現れたのは、どこか身なりも言葉遣いも胡散臭い男・佐平次(さへいじ)。羽振りよく見えるが、実のところ金は持っていない。馴染みの遊女には「今日はツケで頼むよ、明日には払うから」と、涼しい顔。こうして彼は毎晩のように吉原へ出入りし、客のような顔で豪遊していた。



ところがある晩、とうとう金を持たないことが露見し、「勘定を済ませるまで帰すな」と店の者に居残りを命じられる。ところが佐平次、しょげるどころか「居残りなら大歓迎、好きなだけ長居してやろうじゃねえか」と居直り、客扱いから一転、使用人のように振る舞い始める。掃除や帳場の手伝いをし、持ち前の愛嬌で女将や遊女たちに気に入られていく。



佐平次の図々しさと才覚は冴えわたり、やがて他の客の相手までし始める始末。「旦那、あの遊女はいいですよ、こっちはどうです?」と商売の片棒まで担ぐようになる。そのうちに評判が評判を呼び、「居残り佐平次を見に行こう」という冷やかし客まで現れ、店の売上は右肩上がり。気づけば彼の“居残り”が、店にとってありがたい存在になっていた。



とうとう「もう勘定なんて結構ですから、お帰りください」と言われるが、佐平次はニヤリと笑い、「いやいや、そろそろ払って帰りますよ」と懐から本当に金を出す。呆れる店の者に「遊郭ってのはね、遊びだけじゃない、肝っ玉と間合いの勝負さ」と一言。こうして彼は風のように吉原を後にする。その背には、江戸っ子の粋と図太さが残っていた――。