「私の与太話」「衣料品」
衣料は衣料品店で買うものだと、長い間そう思っていた。ところがホームセンターへ行けば、作業着だけでなく、下着も靴下も防寒着も並んでいる。釘や肥料を買いに来たついでに、シャツまで買える。店の縄張りも、ずいぶん変わったものだ。

最近ではコンビニにも、肌着や靴下、雨具まで置いてある。食べ物を買う店、道具を買う店、服を買う店という昔の区分は、もう通用しないらしい。そのうち薬局で背広を売り、衣料品店で弁当を温めても、誰も驚かなくなるかもしれない。

この間、ワークマンで「冷感」と書かれたシャツを買った。暑い夏を少しでも涼しく過ごせるなら安いものだと思い、さっそく着てみた。確かに袖を通した瞬間、「おっ、冷たい」と感じた。しかし喜びはそこまで。少し歩けば、いつもの暑いシャツに戻っていた。

考えてみれば、冷感シャツとは、いつまでも冷たいシャツではなく、着た瞬間だけ冷たいシャツなのだろう。店の商品のテリトリーは、どんどん広がっている。だが冷感のテリトリーだけは、玄関を出る前に終わった。涼しくなったのは、財布の中身だけである。

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