「私の与太話」「おにぎり」
先日、コンビニに立ち寄っておにぎりの棚を見た私は思わず目を疑った。梅も鮭もツナも、気がつけば一個二百円近い。海苔が高いのか、米が高いのか、それとも具が高いのか。テレビでも「おにぎり高騰」の話題を取り上げていたが、昔は子どものおやつだったおにぎりが、今や高級食材の仲間入りをしたように見えた。

そういえば以前、安いおにぎりを売るスーパーを教えてもらったことを思い出した。期待して午後に出かけたが、棚は見事に空っぽ。「本日分は売り切れました」の札だけが残っている。やはり安いものには人が集まるらしい。私は肩を落としながら帰宅し、「世の中うまい話はないな」とつぶやいた。

翌朝、「今度は開店と同時に行ってみよう」と早起きしてスーパーへ向かった。すると棚には山のようなおにぎりが並んでいる。値札を見ると七十七円、九十七円。思わず何個も買い物かごに入れた。家に帰って食べてみると、米もふっくら、具もしっかり入っていて十分おいしい。昨日の落胆が嘘のようだった。

私が得意げに妻へ報告すると、
「同じおにぎりなのに、ずいぶん安かったぞ」
すると妻は笑いながら言った。
「おにぎりが高級なんじゃないのよ。あなたが買う時間が高級だったの」
なるほど――コンビニとスーパーの差だと思っていたが、一番値段が高かったのは、どうやら私の寝坊だったらしい。

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