126.日本おとぎ噺 「百合若大臣(ゆりわかだいじん)」
肥前の国に、若く勇猛な武士・百合若大臣がいました。弓の名手であり、国を守るために日々精進していました。ある時、彼は主君に従い、唐土へ渡る大船の守り役を命じられます。嵐の海を越え、船はようやく唐土に着きましたが、現地の者たちにだまされ、百合若は深い牢に閉じ込められてしまいます。

牢に捕らえられた百合若は、幾年も過ぎ、憔悴しながらも心を折らず耐えました。その頃、国元では妻や家臣たちが彼の帰りを待ち続けていました。ある日、牢番の娘が彼に同情し、抜け出す手助けをしてくれます。命からがら牢を抜け出した百合若は、荒海を越え、ようやく日本へ帰ることに成功します。

帰国した百合若を待っていたのは、裏切りと陰謀でした。主君の家臣らは、百合若がすでに死んだと偽り、領地や権威を奪おうとしていたのです。みすぼらしい姿で現れた彼を人々は信じず、妻でさえも戸惑います。しかし、百合若は自らの弓を手に取り、見事に矢を射て、かつての武勇がまぎれもない本人であることを証明しました。

真実が明らかになり、百合若は再び大臣の位に戻りました。村人や家族も喜びに包まれ、彼の苦難の帰還を心から祝いました。浜辺には、朝焼けの海とともに人々の笑顔が広がり、百合若は静かに妻の手を握り、再び国を守る決意を胸にしました。

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