よもやま文庫/語り継ぐこころ

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たち・私の与太話・古典小説のダイジェスト版と挿絵です。 文も挿絵もChatGPTが作っています。ちょんまげの描写が正しくできません。お許しを。

162.日本おとぎ噺 「紙すく里(かみすくさと)」

100えんメガネ

昔むかし、山里に清らかな川が流れ、そこに暮らす村人たちは紙をすくことを生業としていた。白く輝く和紙は都にも評判で、村は豊かであった。ある日、里にやってきた旅の若者が「紙の作り方を教えてほしい」と頼む。村人たちは親切に応じ、川で楮(こうぞ)の皮を洗い、木槌で打ち、白くさらして紙にする工程を丁寧に見せてやった。若者は深く礼をし、しばらく村に滞在して技を学ぶこととなった。



若者は毎日熱心に働き、村人のように川に入り、木槌で皮を叩き、流し舟で繊維を広げた。やがて一人前に紙をすけるようになり、村人からも「よい働き手だ」と認められる。だが若者は次第に心の奥で「この技を都に持ち帰れば大金持ちになれる」と欲を抱くようになった。村人は和やかに紙をすき、祭りには紙で飾りを作って喜び合ったが、若者は人知れず焦りを募らせていった。



ある夜、若者は村人の目を盗み、技の秘伝をまとめた紙を懐に入れて里を抜け出した。闇に包まれた山道を急ぐが、足元はぬかるみ、道に迷う。ふと後ろを振り返ると、川のせせらぎがまるで人の声のように響き、「欲深き者よ、ここに紙は残せ」と囁く。若者は恐ろしくなり、抱えた紙束を取り落とすと、白い紙は風に舞い散り、谷川へと吸い込まれていった。



夜明け、若者は紙を失ったまま力なく村に戻り、村人に謝った。村人たちは怒ることなく、「紙は山と川と人の和があってこそ生まれる。ひとりで欲を抱いても手にはならぬ」と諭した。若者は深く恥じ入り、その後は真面目に働き続けた。やがて村の一員として認められ、心からの笑顔で紙をすくようになった。こうして紙すく里は、清らかな技と人の心を受け継ぎ、今もなお伝えられているという。


×

非ログインユーザーとして返信する