よもやま文庫/語り継ぐこころ

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たち・私の与太話・古典小説のダイジェスト版と挿絵です。 文も挿絵もChatGPTが作っています。ちょんまげの描写が正しくできません。お許しを。

63.『古典落語』「三枚起請(さんまいきしょう)

100えんメガネ

江戸は吉原の町、桜も咲きはじめたある日。道楽者の男、喜六(きろく)は友人の清八(せいはち)に、「実はな、このたび意中の遊女・小糸(こいと)から“起請文”をもらった」と打ち明ける。
“起請文”とは、遊女が「お前ひとりを真の恋人」と誓って書く手紙のこと。
「ほら、これがその三枚起請よ」と懐から取り出す喜六。
清八は「そんなもん、誰にでも書くもんじゃねぇのか」と疑いながらも、紙面の筆跡や誓いの文句に驚き、「小糸は誠に真心の女かもしれねえな」と相槌を打つ。



だが、その場に居合わせたもう一人の男・与太郎が、ぽつりと言う。「あっしも、小糸さんから起請をもらってるんですよ」
一同、唖然。「ば、ばかな!」
だが、与太郎が取り出した起請文には、やはり小糸の名と、愛の誓いがしたためられている。
「まさか……」と疑いがよぎるなか、なんと清八までもが「実は……俺ももらってる」と告白。
三人が揃って起請文を持っていたのだ。
「おいおい、これはどういうことだ!」「三人とも一番とは、これは…」と、騒ぎが起きる。



「これは確かめずにはおれねぇ」と三人は連れ立って、小糸のもとへ詰め寄ることに。
吉原の一角、小糸の部屋へ押しかけた三人は、畳の上に三枚の起請文を広げ、「これはどういうことだ!」と問い詰める。
小糸はうろたえるでもなく、涼しい顔で言う――
「だって、三人とも“お一人だけ”って言うから……可愛いから、つい筆が走ってしまって」
まるで他愛ない冗談のように言う小糸に、三人は呆れるやら、感心するやら。
女の手練手管にまんまと乗せられた己の姿が、どこか可笑しく思えてくる。



最後には、三人とも怒るでもなく、「ま、起請三枚で三文の徳ってか」と肩をすくめて笑い合い、「こりゃひとつ、三人で飲んで笑い飛ばそう」と、吉原を後にする。
江戸の男たちの情けなさと、遊女の機転。
色と欲が交錯するなか、笑いと哀愁が漂う春の吉原のひと幕――
浮世は夢よ、ただ笑いありき。そんな江戸っ子たちの粋が香る一席である。


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