「私の与太話」「医療費」
今日、ジムで雑談をしていると、一人が「医療費が二割負担になっちゃったよ。今までの倍だ」とこぼした。私は「そうだよね」とだけ答えた。聞けば、その人は七十五歳を過ぎてもまだ働いているらしい。元気で働けるのは結構なことだが、収入があるため負担が増えたようだ。

私はもう働いていないので、収入といえば年金が中心。そのため医療費は一割負担で済んでいる。「あなたは働いて収入が多いからですよ」と言いかけたが、慌てて飲み込んだ。そんなことを言っても慰めにはならない。せっかく元気に働いているのに、病院では支払いが増える。何とも皮肉な話である。

考えてみれば、年を取っても働けば収入が増える。しかし収入が増えれば、税金や保険料、医療費の負担も変わることがある。「働けるうちは働きなさい」と言われ、一生懸命働いたら「では少し多く負担してください」となる。もちろん制度には理由がある。それでも本人からすれば、少々複雑な気分だろう。

私は「七十五を過ぎても働いているんだから、大したものだよ」と言った。その人も「まあ、家にいても暇だからな」と笑った。結局、元気で働けること自体はありがたい。ただ私は心の中で思った。働けば二割、働かなければ一割――さて、どちらが得か。もっとも私はもう決めている。医療費一割を守るためではない。働く方が疲れるからである。
