よもやま文庫/語り継ぐこころ

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たち・私の与太話・古典小説のダイジェスト版と挿絵です。 文も挿絵もChatGPTが作っています。ちょんまげの描写が正しくできません。お許しを。

「私の与太話」「昇進」

100えんメガネ

息子が昇進を断ったと聞いた。理由を聞いて、少し笑ってしまった。役職が上がれば給料も上がるかもしれないが、仕事も責任も増える。部下の面倒を見て、問題が起きれば頭を下げる。どうやら息子は、そこまでして偉くなりたいとは思わなかったらしい。考えてみれば、私も昔から同じだった。



私も会社員時代、出世にはあまり興味がなかった。自分の仕事だけでも十分なのに、役職が付けば部下の仕事まで気にしなければならない。誰かが失敗すれば一緒に謝り、誰かが休めばその穴を埋める。給料が少し増えても、心配事まで増えるのでは割に合わない。私は昔から、平社員の気楽さの方が好きだった。



家に帰れば家族のこともある。自分のことで精一杯なのに、会社でも大勢の人生まで背負うほど器用ではない。「責任が人を育てる」と言う人もいるが、私は責任で胃が痛くなる方だった。トラブルなく一日が終わり、家でのんびり飯を食べられれば、それで十分。息子も、どうやら同じ考えらしい。



親子というものは、顔だけでなく考え方まで似るものなのだろう。偉くなるより気楽に働き、無理をせず、できれば面倒事には近づかない。息子が昇進を断ったと聞いて、「やっぱり私の子だ」と妙に納得した。もっとも妻に言わせれば――「似なくていいところばかり、よく似る親子ね」。


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