よもやま文庫/語り継ぐこころ

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たち・私の与太話・古典小説のダイジェスト版と挿絵です。 文も挿絵もChatGPTが作っています。時々間違えます。お許しを。

119.日本おとぎ噺 「ひやの夜ばやし」

100えんメガネ

昔、山里のはずれに「ひや」と呼ばれる谷があり、日が暮れると奇妙な太鼓や笛の音が響くと噂されていた。村人たちは「夜ばやし」と呼び、近寄らないようにしていた。ある晩、村の若者・新吉は、肝試し半分でその音の正体を確かめようと決意。満月の夜、提灯を片手に、ひやの谷へ向かった。谷間に入ると、確かに軽やかな笛と太鼓の音が、風に乗って聞こえてきた。



音を頼りに進むと、林の切れ間に広場のような場所があり、そこに白い布をかぶった小柄な影が数人、輪になって踊っていた。太鼓は自ら打たれているようで、人の姿はない。新吉は息を潜めて見つめたが、足元の小枝を踏み、パキリと音を立ててしまう。その瞬間、踊る影たちが一斉に動きを止め、月明かりの中で一斉にこちらを向いた。



影たちはゆっくりと新吉に近づき、布の奥からは冷たい風のような吐息が漏れる。新吉は後ずさりしながらも、提灯の火で相手を照らすと、そこには顔のない真っ白な面のようなものが浮かんでいた。笛と太鼓の音はいつの間にか止み、耳鳴りのような静けさが辺りを包む。恐ろしくなった新吉は一目散に谷を駆け出した。背後では再び笛と太鼓の音が鳴り響き、まるで追い立てるようだった。



命からがら村に戻った新吉は、翌日、年寄りたちに話をした。老人たちは「それはひやの夜ばやしじゃ、谷の守り神の眷属だろう。人を害すことはないが、決してからかってはならぬ」と諭した。それ以来、新吉は決して谷に近づかず、村人も夜ばやしの音を静かに受け入れるようになったという。今でも、月のきれいな夜には、ひやの谷から不思議な笛と太鼓の音が聞こえてくるそうな。