よもやま文庫/語り継ぐこころ

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たち・私の与太話・古典小説のダイジェスト版と挿絵です。 文も挿絵もChatGPTが作っています。時々間違えます。お許しを。

47.『古典落語』「目黒のさんま(めぐろのさんま)」

100えんメガネ

ある秋の日、とある殿様が家臣たちを引き連れて目黒へ遠乗りに出かける。武家らしく鷹狩を楽しむが、慣れぬ野外活動に空腹が募ってくる。だが、持参の弁当はまだ届かず、殿様はひどく腹をすかせていた。



そこへ、たまたま近くの農家から香ばしい香りがただよってくる。家臣が様子を見に行くと、それは庶民の食べ物「さんま」を焼いている匂いだった。家臣は恐る恐る殿様に報告するが、殿様は「その焼き物とやら、持って参れ」と命じる。皿に載せて出されたさんまを、殿様は豪快に一口。脂が乗り、香ばしく焼かれた庶民の味に、殿様は舌鼓を打ち、「なんと、これはうまい魚じゃ」と感動する。



しばらくして、江戸の屋敷に戻った殿様は、あの「うまい魚」をまた所望する。料理人たちは大慌てで、高級魚問屋から最高級のさんまを取り寄せ、脂抜きのために丁寧に湯通しし、骨まで抜いて上品に盛りつける。見た目も香りも完璧、これぞ大名料理。だが、ひと口食べた殿様の顔が曇る。



殿様、「これは違う。あのときのような味ではない」と首をかしげる。そして一言、「うむ、さんまは目黒に限るのう」。周囲は絶句――殿様は「さんまの味」が、地のものではなく、「場所」で決まると思っていたのだ。庶民が聞けば笑いが止まらぬ、だがどこか憎めない、殿様の“ズレたご高説”に、江戸っ子たちはニヤリと頷いたのであった。