よもやま文庫/語り継ぐこころ

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たち・私の与太話・古典小説のダイジェスト版と挿絵です。 文も挿絵もChatGPTが作っています。時々間違えます。お許しを。

112.日本おとぎ噺 「姫淵のうた(ひめぶちのうた)」

100えんメガネ

昔、山間の村に美しい娘が住んでいました。清らかな声を持ち、歌が得意で、村人たちはその歌声を「姫のようだ」と称えていました。ある日、村の近くを流れる川の深い淵に、不思議な声が響くと噂になりました。それは、川辺に立つと娘の歌声に重なるように澄んだ響きが返ってくるのです。人々はその淵を「姫淵」と呼ぶようになりました。



やがて、遠くの村から旅の若者が訪れました。偶然、姫淵のそばを通りかかり、その歌声を耳にします。澄んだ声と美しい姿に心を奪われた若者は、何度も川辺に通いました。二人は言葉を交わし、やがて互いに惹かれ合うようになります。しかし若者は旅の途中で、長く村に留まることはできない身でした。別れの予感が二人の胸を締め付けます。



季節が巡り、若者は旅立つ日を迎えます。娘は淵のほとりで歌を歌い、別れを惜しみます。歌声は川面を渡り、山々に響きます。しかし若者は約束を交わすことなく去って行きました。やがて、娘は淵のほとりで待ち続けますが、若者は二度と戻りません。村人たちは、淵から夜な夜な娘の歌声が聞こえると噂しました。



月日が経ち、娘の姿は村から消えました。しかし、姫淵に立つと今もなお澄んだ歌声が響き、風がそよぐたびに水面が優しく揺れます。村人たちはそれを「姫の魂が淵に宿っている」と語り、姫淵を静かに見守り続けました。今も川面に耳を澄ますと、どこからともなく美しい歌声が聞こえるといいます。