よもやま文庫/語り継ぐこころ

日本おとぎ噺・江戸小咄、古典落語・笑いの匠たち・私の与太話・古典小説のダイジェスト版と挿絵です。 文も挿絵もChatGPTが作っています。ちょんまげの描写が正しくできません。お許しを。

「私の与太話」「1円 携帯」

100えんメガネ

ある朝、いつものようにスマホを開こうとしたら、「暗証番号を入力してください」と出た。いつもの番号を入れると「違います」。もう一度入れても「違います」。何度やっても先へ進まない。昨日まで素直だったスマホが、突然、私を他人扱いするようになった。「おい、持ち主を忘れたのか」と話しかけても返事はない。どうやらスマホにも認知症があるらしい。いや、私のほうを疑っているのかもしれない。


仕方なくスマホ店へ出かけた。「暗証番号が通らないので、初期化してください」と頼んだ。ところが店員さんは調べた末に「申し訳ありません。こちらではできません」。別の店へ行っても同じ答え。昔のテレビなら叩けば直ったものだが、今のスマホは叩けばこちらが怒られる。最後に店員さんが「買い替えるしかありませんね」と言った。私はまだ使える気がするのだが、スマホのほうが私を使う気がないらしい。



買い替えとなれば、まず気になるのはお金である。「ところで、このスマホの残りの支払いはいくらですか」と尋ねた。店員さんは端末の記録を見て「残高は0円です」と答えた。「えっ、0円?」思わず聞き返した。そういえば、このスマホは昔、0円でもらったものだった。買ったときも0円、壊れたときも残高0円。最初から最後まで、お金のかからない律儀なスマホである。もっとも、肝心の電話が使えないのでは、ただの小さな板である。



結局、新しいスマホを契約することにした。店員さんが「こちらは1円のスマホです」と勧めてくれた。私は思わず「1円もするのか」と言ってしまった。妻に話すと「前のは0円だったんだから、今度は高級品ね」と笑われた。なるほど、0円から1円へ値上がりしたのだから、立派な出世である。新しいスマホを手にして私は満足した。ところが妻が一言。「今度は暗証番号、忘れないでよ」。私は胸を張って答えた。「大丈夫。今度は1円高いんだから、スマホのほうが覚えているだろう!」


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